・ ページ34
「おはよう。兄妹揃って登校?」
先輩を目の前にして、どうしてだか相川の背に隠れたくなった。
「Aがまだ学校までの道のりを覚えてないんで……保護者ってところです」
『ねぇ、言い方』
「事実。あと叩くな」
『事実どうこうじゃなくて、言い方の問題って言ってるの』
そんな言い合いをする私たちを一ノ瀬先輩はただ優しい目で見るだけだった。
うわぁ、どっかの陰キャと違って紳士すぎるっ。
うちの陰キャと違って!!!
「ぼーっとすんな。教室行くぞ」
『えっ……う、ん?』
先程とは逆に、相川が私の腕を引く。
急がなくても間に合うでしょうが。
とは思ったが、その相川の表情がどこか怒っているように見えて、何も言えなかった。
怒っているのかさえ定かではない。
『一ノ瀬先輩、また』
「うん、またね」
脚が長いからだろうか。
相川は歩くのが速い。
しかも今は、脚を回すのも速い。
つまり私は、駆け足でやっと相川と並んで歩ける(駆けられる)くらい。
ペース合わせていただいてもよろしくて?
「ふぅっ。ごめん、歩くの速かったかも」
『……気付いてたなら減速してよね』
「さっきは、嫌だったから」
うん、理解不能。
『まぁ、いいや。早く教室行こう』
「うんっ!」
「A〜〜!!」
『わっ、ナツメ』
教室の扉を開いて一番、ナツメに抱きつかれました。
「ほんまにAがまふちゃんのものに……ゔぅ……」
『待った、ちょっと待った』
小声での会話を、さらに声を小さくして言う。
『兄妹になっただけで、相川のものにはなってないからね』
「ほんまかぁ⁉︎その言葉、信じてええんかぁ?」
『ほんま。この前も言ったでしょ?』
安堵したナツメは流暢に話し始めた。
一方で相川の方を見ると、天宮君と坂田君に挟まれていて、さらに相川はこちらを見ていた。
バチッと合った視線を戻す一瞬、二人に叩かれてたけど……まぁ大丈夫か。
ーーーーー
24時間テレビワクワク状態で観てます。
オールしたので少し眠いですけど。
81人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵鞠(プロフ) - ぬいめさん» ありがとうございます。期待の真下にあるような作品かもしれませんが、頑張ります! (2022年12月28日 18時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
ぬいめ - 素敵なお話ですね!続きが凄く気になります、これからも更新頑張って下さい! (2022年12月19日 20時) (レス) id: b9e070215e (このIDを非表示/違反報告)
夢猫 - いつまでも待ってます!無理なく頑張ってください! (2022年10月20日 20時) (レス) @page39 id: f1d57ac7c3 (このIDを非表示/違反報告)
絵鞠(プロフ) - 夢猫さん» ありがとうございます。とてもゆっくりな更新ではありますが、待っていてくださいね! (2022年10月16日 13時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
夢猫 - 初見です。夢主ちゃんとまふくんのとても可愛い日常生活を毎回楽しく読ませてもらってます。これからも頑張ってください❣️ (2022年10月4日 16時) (レス) @page37 id: f1d57ac7c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:絵鞠 | 作成日時:2022年3月18日 16時