イジワルなアイツが家族になったけれど。【mfmf】

兄妹の始まり。 ページ15

真冬〈なんで今日あまちゃんと行動してたわけ？〉

　 〈朝も、どうして彼方さんと一緒にいたの〉



　家に帰ったらスマホのロック画面が相川からの通知で埋まっていた。



《天宮君は話が合う人だと思ったから》

《一ノ瀬先輩は、家の方向が同じだから》

真冬〈本当に理由それだけ？〉

《うるさいなぁ》

《絶対笑顔でもなんでもない真顔で打ってるでしょ、メッセージ》

《軽く怖いからね》



　まぁ、いいけど。
　
　その言葉を最後に質問攻めは終了。

　別に、一ノ瀬先輩とも天宮君とも、仲良くしたっていいじゃない。



真冬〈そういや、明日顔合わせだっけ〉



　そのメッセージが送られてきた時、少し戸惑った。



《明後日じゃなかったっけ？》



　今朝、家を出て行こうとした母は確かにそう言っていた。



真冬〈父さんに聞いてくる〉

《お母さんに確認してくる！》



　個人Limeに同時に送信音が鳴った。



　階下に向かうといつもより早く仕事を切り上げてきた母がソファに座っていた。



『お母さん、顔合わせ明後日って言ったけど、明日なの？』

「え？」

『相川……真冬がそう言ってた』



　そこまで会話をして母はスマホのスケジュールアプリで確認する。



「あー、ごめん。明日の間違いだった。着ていくお洋服、確認しておいてね」

『はーい』



　自室に戻りながらLimeを送る。



真冬〈明日で間違いないって〉

《明日の間違いだって》



　また、同時だった。

　笑いがお腹の底から沸き上がってくる。



真冬〈真似すんなよなw〉

《そっちだって》



　”顔文字大福“というLimeスタンプを添えて送る。

　豊かな表情の顔文字が大福に描かれたような、可愛いスタンプ。

　結構、気に入ってる。



真冬〈明日学校終わったら家直行かー〉

《遊ぶ友達いないでしょ、どうせ》

真冬〈はぁ？いるし〉

《だとしても一回家に帰るでしょ》

真冬〈彼方さんと寄り道するかもしれないじゃん〉

《一ノ瀬先輩は私と帰るし》

真冬〈まじで？〉

《うん。一緒に登下校できない時は連絡するルール》

真冬〈はぁ？〉



　これ以上連絡を取ると、また質問攻めになりそうだ。

　相川からの通知をOFFにし、クローゼットを開く。

　明日は何を着て行こうかなぁ。



　明日はちょっとだけ、きちんとしたお洒落をするんだ。

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