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君が好き。【amtk】 ページ1

「僕は僕のままで君が好き!」
 イヤホン無しに私の耳に飛び込んでくる声の主は、新人アーティスト、天月。

「おい、やめろって…」
 そして隣にいるのは、スマホから飛び出して来た!という訳でもない私の友人、天宮翔太。
『いいでしょ、別に。私から君へ、一再生のプレゼント』

 ここは私の家の隣にある天宮家のリビング。
 ご察しの方も居ると思いますが、こちらの天宮翔太君天月さんと同一人物です。ん、天月君です、の方が正しいか。
「何ブツブツ言ってんの」
『え、今こっそり撮った写真になんて文章付けてツイートしようかなって迷ってるだけ』
「あっそ。…って、やめてやめて!盗撮、犯罪、顔バレする!」
 いやぁ、心の中の独り言が外に出ているとは知らなかったのでつい、イタズラしちゃいました。
 こんなイタズラができる程仲の良い私たちは幼馴染だ。

 嘘だよと言うとそっと胸を撫で下ろす天宮。
『高校生でも人気者になれるんだね。部活のヤツでしょ、コレ』
 先程見ていたMVを天宮に見せた。
 『かいしんのいちげき!』は、天月が部活で作った曲。うちの高校には動画配信部というのがあり、天宮はそこで作った曲を動画サイトにアップしたところ、バズった。
「そうそう。でもそれ、一年前」
『流行ってるんだから、関係無い関係無い。ちなみに、天宮と天月は全くの別人格』
「…いや一緒だわ。何回言うの、それ」
 青春がテーマのこの曲はキラキラとしたようなメロディーと歌詞、天宮……アーティスト天月の声がよく合っている。

「フレーフレー君の恋」
 天宮に見せていたMVのラスト歌詞。
『君の恋、って言うけど、天宮誰か応援してるの?』
 いっつも聞こうとして忘れるワードだ。あぁー思い出してよかった。

「…いや、その」
『私が別人格、って言うから自分に向けてだったりして。…なーんてね』

「…そうだよ」

 天宮の言葉に視線を上げた。

 トン。

「やっと気付いた?」
 目と鼻の先には、天宮がいる。
 この時、私は初めて自分がソファに座っている事と天月に壁ドンというものをやられていると気付いた。

「歌い手始めた時からAがずっとそう言うから、自分向けに作った」
 真剣な顔からは嘘の色が見えない。
『でもなんでここまでする…』
「好き」
 遮られた声に被せられた言葉に私の心臓が強く脈打つ。


「___だから、幼馴染じゃない、俺の彼女になって?」

 

嫌いになってもいいから。【mfmf】→



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絵鞠(プロフ) - 千海さん» リクエストありがとうございます。僕も沢山書けるし、ご希望に寄り添えるし、一石二鳥!ありがとうございます! (2022年3月27日 19時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
千海(プロフ) - コメント失礼します。いろんな歌い手さんのお話が詰め込まれてて、すごく好きです!リクエスト等受け付けたりされていますか?されていたら、反応集みたいなので「抱きついてみた」お願いします!されていなかったらすみません。長文失礼致しました。 (2022年3月26日 18時) (レス) @page17 id: b4c51071c3 (このIDを非表示/違反報告)
絵鞠(プロフ) - ぴったり1’000hitになった瞬間を見れました。面白いですね嬉しいです。 (2022年3月20日 20時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絵鞠 | 作成日時:2021年8月18日 15時

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