.04 ※8/12-19:30訂正箇所アリ ページ5
.your side
「いただきます」
豪勢な朝食に驚きながらもサンドイッチを口にする。安室と名乗った彼の作った朝食は、結構な量だがやけ酒後の身体に優しく感じる。
「安室さんは何のお仕事を?」
「カフェで働きながら、ちょっとだけ探偵業をしています」
「なるほど、カフェで」
通りで珈琲もお料理も美味しい訳だ。納得しながらスープを口にすると、彼の方からも私の素性について尋ねられた。
「私立大学の3回生です、法学部の」
「大学生だったんですね、お家はどこに?」
「丁度隣の町です」
彼の自宅と家が大したことのない距離でよかった。どうやら講義には間に合うようだ。アクセサリー類を全て外していてくれた彼だが、さすがにお化粧を落とす訳にはいかなかった様で先程シャワーも借りてしまった。つくづく申し訳ない。
「なら、ぜひ喫茶ポアロに来てください!」
「……ん?ポアロって、店員さんが格好いいって言われている……」
顔を上げると彼と目が合う。昨日も見た金髪に褐色の肌、目元の下がった整った顔。どうやら彼こそが話題の店員さんの様だ。
「ふふ、まさかバーで出会った男性が噂の店員さんだったとは」
「そう言われると恥ずかしいですね」
確かに、照れるように笑う顔も愛嬌がある。羨ましい限りですよと皮肉を言うと、噂の店員さんに介抱された大学生も羨望の限りですよと笑われた。
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作者名:ism | 作成日時:2018年8月11日 19時