検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:11,128 hit

.22 ページ23

.your side

「……わかりました、それじゃあわたしからもお願いがあります」

バーで合う日までに、一度一緒にいたい。久しぶりに安室さんの顔が見られるのに暗い照明が照らす顔しかみえないなんて惜しい。そう言うと彼は少し悩む素振りを見せたあと、なら今からどこかに食べに行きますかと提案した。

「疲れているでしょう?」
「疲れているのに一人でいると、食事も疎かになってしまうので」

疲れているのに追い打ちをかけるのも嫌だけれど、わたしが断ることで疲れているこの人が食事にならないような食事しか摂らないのも困る。疲れているのにごめんなさいと謝ると、むしろAさんに会えて疲れが飛んだくらいですよと言われてしまった。

「……うーん、僕の家で飲めばよかったかも」
「確かに、けれどキッチンが汚れちゃいますよ」

わたしの家の最寄り駅にある小洒落たお店へ入って数分。確かに特有の乱暴なほどの明かりは仕事終わりの彼にはまずかった。

わたしと彼は揃って白を頼み少し口にした。光度の強さはともかくお料理の味は優しいので、次は昼間にくるべきかなあと思った。

胃も疲れ切っているかと思いきやデザートまで平らげた彼は、タクシー呼んでおくべきかなあと首を傾げた。タクシー代を渡しても受け取ってくれないことは分かっている私は一緒に乗りますと提案した。

「免許持ってるんですか?」
「飲酒運転ですよ、酔ってるんですか」

それから彼は暫く考え込み、ああそういうことか!と大きく頷いた。一緒に乗って正解だったなあとため息をはいた。

.23→←.21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ism | 作成日時:2018年8月11日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。