【男主】サリバン家ご令孫の臨時SDです【魔入間】

05 / 少女クララ ページ25

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『はぁ…』


入学式からしばらく日が過ぎた。今は昼休み、学生はほとんどが学食堂で昼ご飯を食べていることだろう。



俺は憂鬱な気持ちで中庭ベンチにて昼ご飯がてらのパンを食べていた。しかし、絶望的なまでに食欲がない。


なぜか？仕事が終わらないからである。



こう見えても俺は、薬学の担当教師である。いっそ実技教員にでもなりたかったのだが、薬学は如何せん、暗記科目なので実技と言うよりも筆記が多い。


筆記が多いとどうなるか？


そう、教師の書類作業が増える。



今日で何とか溜めていた分の3分の1ほどは捌ききったが、まだ3分の2残っている。死ぬ。


『いっそ全部放り出したい…』


俺が臨時SDであると言うのも忘れてはいけない。

バビルス内ならイルマくんに危険が迫ることはまずないだろうし、家に帰れば理事長もいることだから、まあ大丈夫といえば大丈夫なのだろうが…何事にも”絶対 ”は無いのだ。


故に、常に気を張った状態で書類作業をしていることになるのだ。俺が可哀想すぎる。



もうちょっと楽に生きられないものか、とパンをかじった時、視界の端に何かが横切る。



｢ろーぅりんぐぅー！！！！｣


『ん？』



緑髪の少女だった。物凄い勢いで前転しており＿＿おい目の前壁だぞ！！前見てないのか！？


『地獄門(ヘルゲート)！』


慌てて少女の目の前に地獄門(ヘルゲート)を展開する。彼女がそのまま吸い込まれて行ったのは問題なかったのだが＿＿問題は彼女の出てきた場所だった。


『いだぁ゛！？』


そう、間違えて地獄門(ヘルゲート)の出口を自分の頭上に設定してしまったのである。こればっかりは俺は悪くない。むしろ突然現れた少女を救えたことを誇ろう。


リアル空から女の子が！を経験した俺は、かっこよく受け取ることもままならずにそのまま倒れて下敷きになる。恥ずかしい。今が昼休みでよかった。




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