【男主】サリバン家ご令孫の臨時SDです【魔入間】

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そうだ。そういえばそうだった。


あの理事長(おじいちゃん)、愛孫の入学で浮かれてるんだった。


脳内ハッピーセット状態の理事長が、壇上から大きくイルマくんに向かって手を振っている。隣のモモノキ先生も絶句した様子だ。


当のイルマくんはというと、彼もまた驚いたように壇上の理事長を見つめている。あーあー可哀想に…ドンマイ、イルマくん……。



｢実は孫が入学しましてね、これがもうかわいくてかわいくて＿＿｣



そんなイルマくんをよそに理事長はぺらぺらと語り始める。


いやまだ、まだ公に顔が知られていないのがせめてもの救いか？これで顔が公表されたらたまったもんじゃ＿＿



｢そんな孫と撮った1枚がこれです｣



ダァン！と大きな音を立てて拡大写真(ポスター)が公開される。あ、終わった。フラグを2秒で回収してしまった。


いつもの俺ならここで爆笑しているだろうが、臨時SDに任命された以上それどころではない。


イルマくんの焦燥がこっちにも伝わってくる。


あの理事長(おじいちゃん)、孫自慢したいのは分かるがもう少しイルマくん本人に寄り添ってあげて欲しい。イルマくんの性格を考えればこんなの拷問に等しいだろうに…。


理事長がぱっぱと言いたいことだけ言って壇上から姿を消すと、イルマくんは余計に縮こまってしまった。



«では続きまして…新入生代表挨拶»



ガタン、と1人の生徒が立ち上がる。実技試験監督の1人で試験に立ち会っていた俺は、薄ピンクの髪の彼の名を知っている。


彼の名はアスモデウス・アリス。実技試験首位突破の悪魔だ。


新入生代表挨拶を努めるのは実技試験首位の悪魔であることは毎年恒例である。


«…えー新入生代表アスモデウス君…に代わりまして特待生・入間君登壇してください»


わお。




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