あれ？誤魔化せる？

終焉 ページ48

木曜、金曜、そして今日の土曜と警察に会うことは無く、無論、テレビに俺の情報も流れることも無かった。

水谷は約束を守ってくれたのだ。

「雪〜、ドライブ行かないか？」

そして今まで外出していた菊枝さんが帰ってきて早々に「ちなみが持ってきた食材余ってるはずだよ。作ってくれ。」と言われ呆然と固まったのは記憶に新しい。

「どこにいくんです？」

「鳥矢大橋って所さ。多少興味があってね。」

「祭りでも？」

「逆だよ逆！新聞かテレビ見な！」

リモコンを操作しテレビが点けるとリポーターが鳥矢大橋で騒いでる。
野次馬が多くて聞こえないが。

「不可解な死体が見付かったんだってさ」

「死体ですか？あまり聞きたくないです。っていうか……菊枝さん完全に野次馬ですよ？別に宇宙人が舞い降りたわけじゃないし……」

興味ないからテレビを消すと菊枝さんは文句面でグチグチ言ってるが無視する。

死ぬ手前まで追い詰められた体験をしたからか死亡ニュースに耳を傾けるのは抵抗がある。

「(誰だか知らないけど、運がないな)」

ご冥福をお祈りします、と心で言ってると菊枝さんがこちらを、俺の携帯を見ていた。

「……どうしました？」

「いや、なにもないよ」

ーー

「(おかしい……)」

日曜の夜、俺は携帯のデータファイルを見NOCリストのデータが無くなっていたことに気付く。

毛ほども無く文字通り全てが消去されてる。

「(消した覚えは無いのに……)」

いつかは消すつもりではあった。
組織を追うつもりは無い俺には持っていても価値は１つもないモノだから……。

でも、いつの間にか消えている……。

一定時間で消えるウイルスでも入っていたのだろうか？でも、それなら携帯の全てのデータを壊すようにしておく物だし……考えられるのは

「(誰かが消した？)」

に辿り着くが。
しかし、携帯は手元にいつもあるから俺にバレるリスクが高すぎる。それに、故意に消したならデータを見た俺を生かしておく理由がない。

まるで泳がされた気分だ。
何か……何か見落としてるような、そんな感じがする。

「……ハァ」

ベッドに大の字になった。
訳がわからない。

とりあえず、今週は疲れたよ。




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