あれ？誤魔化せる？

頼まれごと ページ4

『な〜雪、あんた暇なんだろ？』

『えっ、まあ暇といえば暇ではありま』

『牛乳買っておいて、ああそれとタバコの箱をまたよろしく』

『すがって、ちょっと待て！』

『あ！あたしもう行くわ！あぁ、それから……』

ーー

これからのことを考えようとは言ったけど、まず今朝に頼まれたことを済ませておこう。

ホントに落ち着きが無い人だな、と悪態を付きながらも従うのは信頼の証とも取れるか。

「いらっしゃいませ〜」

いつものコンビニに入り牛乳を探すも。

「あれ？無い……」

戸棚を見渡すが牛乳は１つも無い。
売り切れかと店員に聞いた。

「すいませーん、牛乳って」

「すみません、つい先程に全ての種類を買い占めたお客様がいたもので売り切れと……」

「……は？」

どうゆうことだってばよ？

「大変申し訳ありません。明日に入荷予定ではありますが本日は売り切れです。」

「わ、わかりました。じゃあ……」

ーー

ありがとうございました！の声を聞きながら店を出た。

意味不明な客もいたものだ、まさかの数種類の牛乳を各数パック合計17個を買い占めるとは……。
よっぽどに成長したかったのか(どこが？とは言わない)、単に好きだから買い占めたのか定かではないにせよ別の場所で牛乳を買わないといけないな。

いや、タバコをアパートに置くことにしよう。もしかすると警察に袋越しに透けて見えるタバコを見られる可能性が無くはないためだ。

「……待てよ？」

そんなことしなくてもズボンのポケットに入れれば問題無い……か。でも万が一にも……。

安心なことにコンビニ店員からはタバコについて今回も何も言わずに黙認してくれており、どうやら店の利益を優先してくれている。

ここからバレることは無い、多分。
でも一度アパートに帰るのは面倒だし、ポッケに入れてさっさと次のコンビニに行こう。

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