CS__闇夜に融けて濡羽色 (ページ7)

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他所様は敬称略

・『お狐様』〈優木凛々果/類々様〉

死は救いである、という解釈の上で、生者達に死を与えにいく。そんな彼女の死神としてのスタイルに、口烏は『とても慈愛に満ちたお方だ』などといったように敬意を表している。
故に、口烏の『同輩様』というくくりに彼女は含まれておらず、呼ぶ際は必ず『お狐様』。仕事外では、口烏自ら世間話を持ち掛けることも稀にある。
ただ、確かにお互いに友好的に接してはいるものの、その距離が一定以上縮まることはない。あくまでも二人は生者の魂を取り合う死神同士であり、口烏の尊敬の念はそれを前提として持たれたものである。口烏も彼女も、その辺りはある程度弁えているよう。

「嗚呼、今日も美麗でいらしますね。お狐様。あなたのお声を聞いてしまえば、烏も思わず羽根を休めてしまいます。……ここには取り合う魂もございません、一つ異種族談笑と参りませんか」

「ええ、ええ。非日常を好ましく思うその気持ち、この僕にも勿論分かりますとも。その非日常に濃く焦がれ、自ら闇夜に飛び込んだ……それがこの僕にございますから、ね」

・『兎様』〈今日子歪/ぺろ様〉

死神の中では珍しく(もないのかもしれないが)、感情の起伏が激しくなく、人間に愛を持つことが共通している為、時折談笑する仲。その内容は、大方出会った人間の話や愛読書などで、新しいものに触れるきっかけが頂けるのだ、と彼女から本の話を聞くと内心浮ついていることも。
また、魂を狩るか否かの差はあれど、双方それを気にする素振りは見せておらず、特に問題はないよう。奪い合う間柄でなく、尚且つ波長が合う相手などとは滅多に巡り会えない為、寧ろ口烏は彼女のスタンスに安堵している節もある。
愛しい恋人を手にかけることは決してしない、そんな無害で柔らかな愛の形への尊敬の意も込めて、口烏は彼女を『兎様』と呼ぶ。

「いくら愛に生きる僕といえど、慈愛に満ちた兎様には敵いませんね。……ああ、いえ。違いますね。人と人との生き様(愛)は、比べるものではない……それもあの世の礼儀作法でしょうか、ええ」

「あの艷やかな黒髪は、とても印象に残ってございます。ええ、唐突に現れたイレギュラー(僕)にも動じない、あの強かな姿……宛ら、先日話に聞いた本の主人公のようでございました。ふふ」

他にも募集してございます……！

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