五奇人ともう1つの物語 (ページ32)

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真実は闇の中(2) ページ32

零目線

敬人「その最終手段と言うのが、最悪の手段、楓奏くんを殺すという事だった。予め2人は最悪の事態を想定して、前日にSophia側の舞台セットの手すりに、落下しやすくなるように壊れやすくする仕掛けをしていたらしい。そして、あの時、花びらを舞わせて滑りやすくしたあと、スポットライトを目に当てた。楓奏くんは2人の目論見通り、足を滑らせて下に落ちた...ということらしい。」

零「じゃあ、俺ら六奇人が『楓奏は六奇人に必要ないから信者を使って殺そうとした』という噂はどこから出たんだよ！！俺らは楓奏のことを邪魔なんて思ったことは一回もない。むしろ可愛い弟のように接してきた。なのに、もう六奇人の中に楓奏はいなかったかのように、他の奴らは五奇人と呼び出してる。なぁ、坊主！何でだよ！」

敬人「それは、どういう事だ？朔間さん！五奇人？俺は聞いてないぞ？」

零「...相変わらず予想外の展開には弱いな、坊主。まぁ、お前が関係してないのなら、お前にあたったってどうにもならないな...。って言うことはお前の友達くん達が広めたのか？」

敬人「それは無い。英智は昨日のことがあまりにもショックだったのと責任を感じたので今日はベッドから出て来ようとすらしなかった。つまり、あいつは学院には来ていない。他のfineの奴らも、昨日はそそくさと帰ったし、今日殆どのやつが来ていないようだからfineの奴らが広めた、という訳ではないだろう。...fineの奴らも楓奏くんのことを気に入っているようだったからな、相当辛かったと思う。どうか、英智達をあまり責めないでやって欲しい。あの2人のfine信者は反省すらしていないらしいけどな。自分たちはfineの為に、学院の為に正しいことをしたとほざいていた。警察に連れていかれたアイツらと話すために英智と一緒に警察に行ったが、アイツらは人を殺しかけたという自覚がないようだ。いや、あるのかもしれないな、罪の意識はないが。六奇人は死んで当然とか言っていたからな。...すまなかった。言い訳だな、これは。」

零「いや、いいよ。俺が赦す、赦さないを決める訳ではないけど...。でも、一つだけ覚えとけ。楓奏はな、俺がアイツらを殴りに行こうとしたら止めたんだよ。『あの人たちは悪くない』ってな。だから、お前らはそんな優しい子を危うく殺しかけた...いや、肉体的にはまだ死んでいないが、楓奏を『殺した』ということを絶対に忘れるな。これ以上、同じ過ちを繰り返すな。」

...to be continued