Sonne ページ28
SIDE__Takaki
俺は、金の為だけに、家族に見捨てられた。
お前なんていらない。だからお金になってくれ。
なんて言われたときは、夢を見ているんじゃないかと錯覚した。
でも、それは紛れもなく現実だった。
馬鹿げた研究に付き合わされて、痛い思いして、虚しくなって。
辛い。もう嫌だ。
その感情以外は、当時の俺にはもう存在すらしてなかった。
そのせいか、無表情で無愛想な俺の周りには誰も居なくなった。
……ただ、1人を除いて。
『なんだよ、俺に構うなよ。』
そう言って突き放しても、彼は笑って嫌だと言って、離れようとはしなかった。
『月の国の奴だけで仲良くしてろよ。』
なんて言っても、彼はこんな所に1人で居るなんて吐き気がすると言って、俺の手を握ってくれた。
月だろうが太陽だろうが関係ない。
辛い人が居るなら、助けてあげなきゃいけない。
守ってもらえてた分、今度は誰かを守ってあげたい。
なんてことを笑顔で話す彼を見て、この人ならきっと大丈夫。俺のことを捨てたりなんてしない。
…そう、確信することができた。
確信することが出来たから、不器用でも、助けを求めて手を伸ばすことができた。
＿＿あの時、助けを求めることが出来た。
それが彼を…薮くんを、ここまで苦しめたのかもしれない。
薮くんは、いつも俺と研究員の間に割り込んでくれた。
薮くんは、いつも笑って俺は大丈夫だからと言ってくれた。
それでも、やっぱり限界はあった。
薮くんの瞳の色が美しく儚い、黄緑色になった時。
彼が、笑わない時があった。
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柑橘類。(プロフ) - 茶巳さん» 読んでくださりありがとうございます…！更新サボってすいませんでした…(土下座)読み返してあげてください…でもミスはそっとしといてあげてください…← (2020年7月21日 0時) (
レス) id: 9e47427641 (このIDを非表示/違反報告)
茶巳(プロフ) - 初めまして！毎日更新してないかなーって見にくるぐらいこの作品が好きでした。まさか最後に記憶をなくすとは、、、とても読み応えがあり面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！何度も読み返そうと思います(^○^) (2020年7月20日 23時) (レス) id: 560570cdba (このIDを非表示/違反報告)
柑橘類。(プロフ) - rengeさん» 読んでくださりありがとうございます！皆幸せになれるように頑張ったつもり…です！← (2020年7月20日 20時) (レス) id: 9e47427641 (このIDを非表示/違反報告)
renge(プロフ) - 予想外の展開に驚きました。話の構成がすごいですね！みんな幸せになってほしい。素敵なお話をありがとうございます！ (2020年7月20日 19時) (レス) id: 8b7957125a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柑橘類。 | 作成日時：2020年5月22日 18時
