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井川side
えっのあちゃん?!?
患者さんの説得に向かった院長についていくと、院長の背中がすっと視界から消えた
えっと思って慌てて追うと、院長が膝をついて肩をさすっていたのは病院令嬢ののあちゃんだった
そのそばには柴田さんもいて余計に頭が混乱する
院長がぽんぽんとのあちゃんの肩をたたいて立ち上がったのと入れ替わるように
俺は二人の方へと向かった。
今は院長に就いて勉強中の身だけど、明らかに示談に持ち込む見慣れた院長の背中よりもこっちの方が気になる
「柴田さん?!どうしたの?!」
と聞けば、こっちに気づいた柴田さんが、あ。いたの?って感じの目でこっちを見る
あぁ今日も今日とて冷たい。。ってそんなことよりっ!
慌てて口を開こうとすると、慌てた様子で野次馬の中から出てきたのは深冬先生だった
「大丈夫?!」
とのあちゃんの肩を揺らす深冬先生に、柴田さんは「E5室空いてます。」と声をかけた
E5室?? ああ確か先週までBIPの患者さんが入ってた部屋。ってなんでE5室空いてます?
そう思っていると、深冬先生も気づいたようにありがとうとお礼を言う。
俺は何のことかわからないで頭を回していると立ち上がった柴田さんに、呆れた顔をされて
「のあちゃんが休むの!!」
と大きなため息と一緒に言われてようやく理解できた
「ああ!」
と言えば、
「ったく。全く気が利かないっ。」とにらみを利かされて
いつも通り、
「はいっ。 すいませんっ。」と腑抜けた声が出た
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作成日時:2022年9月26日 7時