8、初めての、クラス行動 ページ10
だめだ、超帰りたい。願わくばこのまま直帰して記憶を消して全てをなかったことにしたい。
開き掛けたドアを閉めたことで余計に入りづらくなった私は、今すぐ逃げ出したくて泣きそうになるのを必死で抑えていた。
いや今からでも遅くない、よし帰ろう。
後で消太さんに締められれば済む話だ。
「む！？そこの君、入らないのかい！？」
潔く踵を返そうとしたところでドアが開け放たれ、真面目を体現したような人が顔を出す。
声でかい体でかい気迫怖い帰りたい。
足がすくみ上がり動くに動けない状況で、メガネの人の隙間から、机に足を乗せた爆豪くんとばっちり目があった。
あ、死んだ。
高校生活1日目にしてすでに死亡する未来がちらついたーーが、
「あ゛！？何見てんだコラ眼帯女！！」
あっ、私が同中だって気づいてないや。
よかった生きれる。
最難関の爆豪くんをクリアしたことで硬直が解けた私は、メガネの人に軽く会釈してその隙間を早足に通り抜けて教室に入る。
私の席は、一番窓際の一番後ろの一個前。
後ろの席は、わぁとっても可愛い女の子だ。
ポニーテールと凛々しい瞳が印象的。
席に着いた途端、また教室が騒がしくなった？
ドア付近にいる縮毛の男の子緑谷くん！とボブの茶髪の女の子。
あのメガネの人、緑谷くんにまで突っかかってる。茶髪の女の子の方は緑谷くんと知り合いなのかな。
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ」
急に響いた冷たい声と冷たい申告に、室内の雰囲気が変わる。
でも、私には聞き覚えのある声と見慣れた黄色い芋虫……消太さんいつもそんな格好で勤務してたの！？
今朝ちゃんと朝食を作ったのにウィ○ーイン飲んでるし！！
「ハイ静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね」
私の肝に追い討ちの通常運転っぷり。
早速頭痛がしてきたところ、消太さんが室内に入ってきて、簡潔な自己紹介をした。
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
あああみんなが「え、こいつ担任？」って顔してるううううほんとだよ消太さんこんなときくらい合理性に欠けてよおおお
「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ」
What？
寝袋から体操服と呼ばれた、青地に校章の白いラインが入った服を取り出した消太さん。
えっと、急展開すぎません？
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作者名：あんぴーなっつ | 作成日時：2018年10月8日 19時
