15、激突、幼馴染 ページ17
「始めようか有精卵共！！！戦闘訓練のお時間だ！！！」
更衣室からグラウンド・βへ。
ものすごく広いうえに、ビルや道路、交差点などなど、実在する町のようなセット。
救急箱を抱えながら、そのスケールのでかさに開いた口が塞がらない。
みんなそれぞれのコスチュームに身を包んでいるおかげで、ますます私の存在が浮いてしまう……
と、そこで俯いた私を覗き込むように、緑谷くんと仲の良さそうな茶髪の女の子が話しかけてきた。
黒と薄ピンクが基調のぴったりとしたスーツで、その発育の良さが目に見えてわかる……
「あれ、体操着？君コスチューム着ないの？」
「っ、え、と、その、」
不思議そうな顔をしてぐいぐいと詰め寄ってくる……近い！
「あ、急にごめんね。私麗日お茶子です！よろしくね！君は？」
「あ、えと、芽吹A、です」
「Aちゃんだね！かわいい名前だね！」
「あ、ありがとう……ございます」
しどろもどろながらもなんとか会話できてる！
自分の中で自分の壁を乗り越えた気がして、一人感傷に浸っているとロボットみたいなフルアーマーのコスチュームの人……多分声的にメガネの人が挙手をする。
「先生！ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか！？」
「いいや！もう二歩先に踏み込む！屋内での対人戦闘訓練さ！！」
……対人戦闘、酷い怪我人がでなければいいんだけど。
オールマイトさんの訓練の趣旨の説明を聞きながら、屋内の凶悪敵出現率の高さになるほどと関心する。
No. 1ヒーローもちゃんと先生なんだな。
「勝敗のシステムはどうなります？」
「ブッ飛ばしてもいいんスか」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……？」
「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」
「このマントヤバくない？」
「んんん〜聖徳太子ィィ！！」
……大変そう。
ちなみに組み分けはくじ引きで、早速訓練に入る敵役とヒーロー役もくじで決まった、んだけど……
最初から緑谷くんと爆豪くんのぶつかり合い……もう怪我する未来しか見えない。
「あと芽吹少女は見学だ！代わりに私の講評を纏めてくれるから、個別に見たいという人は芽吹少女に言うんだよ！」
ただでさえ油の前で火打ち石を打ってるような状態なのに……爆弾投下しないでオールマイト！
見学のワードに怪訝な目を私に向けるクラスメイトたち。
……視線が痛い。
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作者名：あんぴーなっつ | 作成日時：2018年10月8日 19時
