14、役立たずと、戦闘訓練 ページ16
次の日から、本格的な授業が始まった。
あの雄英高校ですら、やっぱり授業風景は普通の進学校のようで……
授業はかなりハイレベルだけどヒーロー科としては拍子抜けするような感じだった。
お昼ご飯は、ランチラッシュというヒーローの経営する大食堂で食べる。
ちなみにぼっちです。
本人のコメントである「白米に落ち着くよね、最終的に！！」を体現するように白米がすごく美味しかった。
ぼっちだけど。
そして、ヒーロー科にとってはここからが本番、というように午後の授業ではみんながうずうずしだしている。
そう、私にとっては悪夢の、みんなにとっては希望の、「ヒーロー基礎学」。
「わーたーしーがー！！」
うわすごい迫力！
文字だけでもびりびりと皮膚が痺れて、胸が圧迫されるような威圧を覚える。
「来っ」
多分緑谷くんの声。かのNo. 1ヒーロー、オールマイトさんの決め台詞だ。
私が知る限り中学の頃からオールマイトファンな彼が、この台詞を知らないはずがないか。
「普通にドアから来た！！！」
私が来たじゃないんかい！
またもや売れない芸人のようなツッコミを心の中でかましてしまう。
「オールマイトだ…！すげぇや本当に先生やってるんだな…！！」
「銀時代のコスチュームだ……！画風が違いすぎて鳥肌が……」
興奮したようにざわざわする室内。
一人肩身狭い思いで身を縮めると、オールマイトさんが教壇の前でなにかのポーズ？を取るった。
「ヒーロー基礎学！ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う課目だ！」
バーンとカードのようなものを掲げたオールマイトさん。
「早速だが今日はコレ！！戦闘訓練！！」
「戦闘……訓練…！」
(戦闘……訓練…！？)
いきなりなんてチョイスだ先生！！
戦えるわけない私には早速怪しまれるポイントなのに……もう帰りたい。
「入学前にもらった『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた…
私持ってないし帰りたい。
「自覚するのだ！！今日から自分は…ヒーローなんだと！！」
……帰りたい。
それぞれコスチュームの入ったトランク？を持って、更衣室へ向かうみんな。
緑谷くんはいつも背負っている黄色いリュックしか持って行ってなかったけど。
みんなが教室から出て行ってから、オールマイトさんが私に手招きをする。
「芽吹少女、芽吹少女！君は体操服に着替えて行くんだよ！」
「……はい」
私だけは、体操服と救急箱を持って、更衣室へ向かった。
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作者名：あんぴーなっつ | 作成日時：2018年10月8日 19時
