捜索 ページ3
いくら怪しい、とは言えど、
ここで死なれては、元も子もない。
それに、ここら辺は最近、山賊が三つくらい出来ている。
そこで色々されても困るので、みんな仕方なく捜索していた。
忍たまは山の頂上から真ん中辺りまで、
くのたまは山の真ん中辺りから麓までを捜索している。
「見つからないね。」
「あたし的には見つからずに
そのまま飢え死にでもしてろ、って感じだけどね。」
まあまあ、とAが宥める。
でも、雅はそれを聞いても直してはいなかった。
それもそのはず、雅は、二人目、三人目の天女に、
自分の恋人である売れっ子フリー忍者の
色々されたからだ。
暴言暴力は当たり前。天女が自ら殺しにかかってきたこともあった。
そして、なんと忍たまたちが雅を呼び出し、
「調子にのるな」と暴力を振るわれていた。
みんな、天に還されそうになったこともあった。
他のくの一教室の上級生や、下級生クラスの子達も、
同じようなことをされた。もちろん、Aも。
そのため、忍たまの上級生たちと、くの一教室には、
未だに深い溝が出来ている。
唯一、普通に交渉できるのは、六年ろ組の七松、中在家に、
六年は組の善法寺だけだった。
下級生たちは、自分たちが目をかけていたため、
普通に仲がよいままである。
と、まあ、この捜索も、忍たまたちとくのたまたちの
溝を埋める一緒にいさせているわけだが、
一向にくのたまが許さないため、
捜索は順調でも、互いの溝は埋まらないままだった。
「見つかったよー！」
捜索を開始して20分程度たったあるとき。
一人のくのたまの声が、山に響いた。
すぐに皆が駆けつけると、そこには前の天女たちが着ていたような、
おかしな服を着た、紫色の髪を二つに結っている人の
眠っている身体がそこにあった。
小平太がかなり強く揺らしても、起きない。
見つけたため、とりあえず天女を忍術学園に連れていくことにした。
天女を背負っているのは長次。
捜索が終わり、各自それぞれ帰路についているが、
Aは、一つだけ可笑しなことに気づいていた。
今回だけかは分からないが、天女の側には、
何人かの男たちの亡骸。
服装を見るなり、山賊だろう。
それに、変な陣みたいなのが、書いてあった。
Aだけが気づいてたようだが、詳しいことは誰も分からない。
天女に聞けば、わかるかもしれないが。
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作者名：青蘭味の何か | 作成日時：2018年4月14日 22時
