危機一髪＊セオ（after） ページ22
セオ宅
セオ｢とりあえず寝てろ。｣
セオはそう言ってボクを抱えてベッドに寝かせた。
『大丈夫だよ』
セオ｢貧血なんだろ？まああれだけ血を流してるのに動いたから当たり前か。｣
『怒ってる…？』
セオ｢怒んないわけないだろ！？確実に死ぬのに置いてけなんて言われたら！Aはもっと自分を大事にしろよ！｣
『…』
セオが、本気で怒ってる。
目には怒りだけでなく悲しみも浮かんでいる。
セオ｢A、頼むから…俺の前から消えないでくれ…｣
『！』
セオ「お前が居なくなったら、俺は、俺は…」
悲痛な声が静かな部屋に響く。
『ごめんね。』
セオ「俺だけじゃない、礼二くんだって京一だって新だってみんなお前が大事なんだ…」
寝たまま、セオに手を伸ばせば、セオは脚を気にしつつボクに覆いかぶさって、顔の横に両手をついた。
『セオ、』
と呼べば、首元に顔を埋めてきたので、ボクはそれを抱きしめた。
セオは微かに震えていて、恐怖を与えてしまったと後悔する。
セオ「なあ、A。俺はそんなに頼りないか？お前に置いていけと言わせるほど、頼りないか？俺だって、お前を、好きなやつを守れないほど青くない。」
『そんなことないよ。セオはすごく頼りになるし、頼りにしてる。』
セオ「じゃあ、なんで…！」
『セオが好きだから。』
セオ「っ…！」
不意に首に微かな痛みが走った。
『ちょっと』
セオ「仕置き。Aの身体に何かするのは俺だけでいたい。まあ、傷をつけることはないけど。」
『ん。』
セオが横にずれて、ボクを痛いほど抱きしめる。
そのまま後頭部に手を回されて、ゆっくり撫でられた。
顔はセオの胸に押し付けられて顔を上げることをできない。けど、彼はきっと、泣き出す寸前の子供のような顔をしているのだろう。
『セオ。ボクは、セオを置いていかないよ』
セオ「！」
『大丈夫。』
そう言えば、静かに唇が重なる。
何かを確かめるかのように何度も重なって、深くなった。
『ん…んんっ…ぁ…セ、オ…ふぅ…』
セオ「ん…ちゅ、んぅ…」
こっちは息切れしてんのに涼しい顔しやがって。
セオ「ま、この先はお預けだな。その脚じゃ出来ねえだろうし。」
『っ！』
いつもの調子で笑ったあと、セオが酷く優しい目でボクを見て、ボクの目元を撫でた。
セオ「言い忘れたけど、俺も好き。」
＊＊＊
危機一髪は完結です。リクエストありがとうございました！
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実胡斗 - またまたすみません！同じような感じのがあったので、もう２人じゃなく全員で奪い合いあっちゃってください！ (2019年6月25日 18時) (
レス) id: 77ca809016 (このIDを非表示/違反報告)
実胡斗 - ちょっと付け加えさせていただいても宜しいでしょうか？少しピンクな感じがいいです。 (2019年6月25日 17時) (レス) id: 77ca809016 (このIDを非表示/違反報告)
実胡斗 - リクエスト、お願いします！夢主の奪い合いは可能でしょうか？できれば琥珀・セオで(理由は私の推しだから)。時間があればでいいので、お願いします！ (2019年6月25日 16時) (レス) id: 77ca809016 (このIDを非表示/違反報告)
鈴鹿(プロフ) - えみつん(・8・)さん» 大丈夫です。リクエストありがとうございます。 (2019年5月15日 22時) (レス) id: 892f3b61bd (このIDを非表示/違反報告)
えみつん(・8・)(プロフ) - どういうシチュエーションが良いのか思いつかなくてすみません（；＿；） (2019年5月15日 22時) (レス) id: 0654bfd466 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鹿 | 作成日時：2019年4月22日 2時
