魔法の鏡・ばぁうてる ページ25
天井裏の、狭い小さな部屋。
そこには誰も訪れたことはない。
一人ぼっちの孤独な世界で、僕はずっと幸せを夢見てる。
ある日のこと、
古ぼけた鏡に突然映った赤髪の少年。
「魔法使い」と名乗ったその人は、
僕にそっくりな、笑顔で笑う。
廻り始めた運命と変わり出す日常
毎日来てくれる君。
「…友達って呼んでもいいの？」
戸惑いながらも鏡越しに、手を重ねた瞬間に始まる。
【魔法の時間】
「名前を呼んで？」
触れたその手から、伝わる君の声。
暖かくて、
「ｸﾞｽｯなんで…」
不意に涙がこぼれ落ちた。
このままずっと
「握っていていいの？」
寂しい世界で一人。
ずっとずっと、待っていた
鏡の向こうの 優しい手
魔法使いは、全て叶えてくれた。
病気は治って、歩けるようになった。
長くに続いた戦争も終わって、
「おはよう。いい朝だね！」
静かなこの部屋に、笑いが増えた。
昔に夢に見た、幼い日の記憶。
素敵なお城で僕は王子様
不思議と懐かしいくらいに、鮮やかに覚えてる。
今では、それさえも現実になる。
夢見た願いは、全て叶えてもらった。
だけど今、何かが足りないと感じてる。
それは今目の前にいる、ばぁうくんにしかできない
【魔法】
「この手をずっと、離さないでいて･･･。」
このままで、ずっと一緒にいられますようにと
他の誰でもない、あなたに願うから。
だから、今すぐに
「此処に会いに来て？」
寂しくて眠れないよ…。
『てるちゃん。』
優しく名前を呼んで？
いつでも、僕は待ってるよ
魔法の時は早すぎて
孤独な僕の【夢】は現実になる。
『もう、行かなくちゃ…』
「行かないで」
『魔法が、解けてしまう』
『お別れ言わなくちゃね』
「言わないで…」
『お願いだから、泣かないで』
「…行かないで！」
鏡の向こうは 【全て逆の世界】
決して交わらない 【運命(さだめ)】
『君がくれたもの、俺は返すだけ』
君の笑顔も涙も、俺はずっと忘れないよ。
だからてるちゃんも俺の事
どうかずっと “忘れないで”
このままでずっと、いられたらよかった。
魔法なんてなくても、あなたの側に居たい…。
だから、もう一度
「此処に会いに来て」
古ぼけたこの鏡をいつも磨いて待ってる。
どんなに時が経っても
ずっと君をただ、
「待ってる」
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十五夜 - 更新ありがとうございます！ほんと神ってますね！季節の変わり目なので体調にはお気をつけてください (2021年9月14日 17時) (
レス) id: 60d1d84311 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - 孤独の宗教大好きなので読んでてめっちゃ楽しかったです！リクエストで、ばうまひで夜に駆けるお願いします！ (2021年9月13日 20時) (レス) id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - あいろまさん» カレシのジュードめっちゃよかった！！！ゾクゾクした。。 (2021年9月13日 16時) (レス) id: afebd1bb00 (このIDを非表示/違反報告)
あいろま - 十五夜さん» 頑張って書けました(o^−^o) (2021年9月12日 6時) (レス) id: 6e4e41c97d (このIDを非表示/違反報告)
十五夜 - あ！孤独の宗教だ！リクエストに応えてくださってありがとうございました！ (2021年9月11日 16時) (レス) id: 60d1d84311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいろま@眠い | 作成日時：2021年8月3日 18時
