らくだい魔女と青春の始まり (ページ23)

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そんな話をしているうちに､
あたしたちは､前にチトセとカリンと来た､青の国の時がやどると言われる『竜王山』の上空を飛んでいた｡

フ「あ！ねえねえカリン！おじいちゃん家が見えてきたよ～」

竜王山の近く､人里はなれた森で隠居生活をしているのがチトセのおじいちゃん･グラウディ｡昨日あたしが買ったゲームのモデル！チトセのおじいちゃんはゲームや本になるほど有名な､魔法の国一の大魔法使いなの｡
チトセのことをとってもかわいがっていて､あたしも小さいころ､よく一緒に遊んでもらったんだ～｡

カ「ほんとだわ～！あれ？おじいちゃん家近くに誰か飛んでるわ～」

フ「ん？どれどれ？よく見えないなぁ～」

カ「フウカちゃん､ほら､あれよ～」

カリンは人がいる方を指さした｡
その方向を見るとなんだか見覚えのある後ろ姿が目に入った｡

フ(げっ､あれは絶対チトセだ...うわ～なんか言われる～｡これは気づかれないように通りすぎるしかないね)

そんなことを考えてると

ル「あれ､多分チトセだろっ｡おーい､チトセー！」

ルークはあたしが考えていた作戦を一瞬にしてこわした｡

カ「え！...チトセくん？」

カリンの顔は徐々に赤くなっていく｡
そう､カリンと言いチトセは〝なぜか〟女子に人気があのよね～｡
でもカリンは最近キョリをおいているっぽい｡

フ(ハァ...ほーんと､口も悪くて､性格も悪いチトセのどこがいいのか...)

チトセはルークの呼ぶ声に気づいたのか振り返ると

チ「ル､ルーク！？それに...」

そのままあたしとカリンとキースの方を順に見る｡
キースを見た瞬間目つきが変わったと思ったらルークに向かって

チ「ま､まさかお前､黒の城の王子と友達なのか！？」

ル「そうだけどチトセもキースと友達なのか～？」

チ「ただ知ってるだけだ」

チトセはふんっとそっぽむいた｡

フ(まったく､なんでこんな時に怒ってんのか…やっぱチトセもまだまだ子どもよねぇ～)

あたしが呆れていると

チ「お前ら､こんなところでなにしてるんだ？」

フ「あんたこそなにしてるのよ｡まーた､お兄さんにいじめられて逃げ帰ってる途中じゃないんですかぁ～？」

チ「うるせーっ｡ちげーよ｡こっちの方に用があるだけだ」

フ「へ～､今日は〝たまたま〟違っただけですよね～？しかも用ってなによ､用って！まさか､ほんとは逃げ帰るのに､恥ずかしいからって隠してるわけじゃないでしょうね～？」