らくだい魔女と青春の始まり (ページ18)

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その瞬間､ゴオォォォォーッと言う強風と爆音に目と耳をふさぐ｡
少しすると風も音もおさまって､さっきまでの騒音が嘘みたいにシーーンと静まり返ってた｡
目をあけてみると､そこには懐かしいゴーストタウンのような街が広がっていた｡
街頭のまわりには小さな虫が音を立てて飛んでいる｡
古びた石だたみの道の先には､今にも何か出てきそうな排水溝がある｡

ル「ほれ､暗黒街に着いたぞー」

ルークの声だけが気味の悪い街に響く｡
すると後ろから

キ「フウカ､ルーク､来てくれてありがとう｡」

その声にあたしはドキッとする｡
振り返るとキースがほほえんでいた｡久しぶりに見る整った顔のキースと目があって､あたしはカーッと赤くなるのを感じながら

フ「キース久しぶりだね！呪い､大丈夫なの？」

キ「キミに会えて良かったよ｡呪いは後少しでとけるかな？」

ル「それで早速なんだがキース､オレら何すれば良いんだ？」

キ「これを見てほしい」

と言ってキースは1枚の紙を出した｡
そこにはギヨームからもらった『レシピ』を解読した文が書かれていた｡
上から順に見ていくとある文で目が止まる｡
〝火の民の力でしかこがせない薬草〟とあった｡

フ(火の民､これあたしのことだよね...)

前にカルガバールが､世界を一瞬にしてなぎはらい､火の海にかえるというほどの火炎の竜｡その力をあやつることができる唯一の者が､金色の髪をした火の民...つまりは魔界の王｡
火の民はとう昔に絶滅したはずだったが､ある時復活したという噂がながれた｡それがあたしのパパ｡パパはもうこの世にいないから噂は嘘だと思われていたが､あたしが生きた証拠だと言っていた｡(※10巻「冥界のゆびわ」)

フ(つまりこの世であたししかこの呪いをとけないってことだよね)

あたしが考えてることがわかったのかキースは申し訳なさそうな顔をして

キ「フウカ､こんな思いさせてすまない｡しかし時がくれば知ることになると思う…どうか力をかしてくれないかい？」

フ「キ､キースが謝る必要なんてないよ？元はあたしが､あたしが負わせちゃったんだし...」

涙がぽろぽろと出てきた｡
そんなあたしの頬をキースは優しくふいてくれた｡

ル「なぁ、ってことはさ､フウカの魔力でしか燃えない薬草をこがせば良いってことだよな？」

キ「そうなんだ｡ポイニクシー草って言う薬草がある｡それは火炎の竜をあやつる力でしかこがせないほど暑さに強いらしい｡ポイニクシー草は一昨日とってきた｡これがそれかは曖昧だが...」

と言いポケットから1枚の葉を取り出した｡