らくだい魔女と青春の始まり (ページ44)

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フ「あー！ビアンカちゃんが結構前に言ってたね」

ビアンカちゃんは､チトセの幼なじみで､水の国のプリンセス｡
前にこの学校に転校してきたんだけど今は違う学校にいる｡

カ「その話し､ほんとうだったのぉ？」

カリンも驚いたようにアリサちゃんに言う｡
『ビアンカちゃんか～懐かしい』って言い合う周りの女子を無視して､アリサちゃんは

アリサ「ほんとに決まってるじゃない！」

フ「え！？なんで！？」

アリサ「なんでって､チトセくんに告ったこが『ゴメン｡オレ､好きな人がいるんだ』ってふられたって言ってたんだから！」

フ「えぇぇぇぇぇぇ！？で､でも前にチトセにきいたら『ビアンカだなっ｡あいつ､なに勝手なこといってんだ』って言ってたけど…」

アリサ「えっ！フウカ！それって本当？？」

フ「う､うん｡だからビアンカちゃんのガセネタってずっと思ってたんだけど…」

カ「わたしも最近までそう思ってたわぁ～｡でもね､今はなんとなくチトセくんの好きな人が誰かわかってきたの」

フ(え…！？チトセ好きな人いるの？しかもカリンが勘づいているって…それってセイラちゃんかな？)

セイラちゃんは最近チトセ一緒にいる､少し謎めいた女の子｡あたしもあのふたりの関係がよくわからない｡

あたしはなんとなくその瑠璃色の髪の女の子を思い出しながら､動揺を隠せないでいる｡

皆「…えっ！？」

周りでガヤガヤしていた女子も､全員カリンの言葉に反応する｡

アリサ「カリン､その好きな人って？」

みんなジーッと真剣にカリンを見ている｡

カ「ご､ごめんなさ～い｡確実じゃないから言えないわ～｡チトセくんにも悪いしねぇ…」

アリサ「そ､そうだよね！確実じゃない情報はときに誤解を招くしね！あたしもしんちょうに情報集めてみる！」

アリサちゃんに続くように『あたしも､わたしも』とみんなくちぐちに言っていく｡

フ「それで､あたしの貴重な休み時間をうばった本人はどこにいったのよっ？」

ルカ「サッカーじゃない？」

ユイ「でもチトセくんあまり調子良いふうに見えなかったわ」

カ「それ､わたしも思ったわぁ！」

フ(え！も､もしかして水かけちゃったから風邪引いたとか…？まっさかね～バカは風邪ひかないって言うし～)

そんなこんなで昼休みの『最近ますます大人気のチトセくんについてかんがえる会議』が終了した｡