【MHA】彼女はいつも夢を見ている (ページ4)

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戦闘試験。
　ペアを作り、ヒーロー側と敵側に別れて戦うというとてもシンプルなもの。
　ペアでクジによって決められたペア。21人いるクラスでは、どうしてもひとり余ってしまう。
　それが私。

「どうしたものかな……？」

　オールマイトが笑顔で悩んでいる。笑顔で。
　この人はいつでも笑っている。いつでも、どこでも。

「問題ないです。ペアなら『兄』がいますから」

　ポカンとするオールマイトにそう言って、太ももに固定してある本にチョコレートの模様が入った栞を差し込む。
　刹那、私の右隣に私と瓜二つの人間、「ヘンゼル」が出現した。

「これで問題解決ですよね？」

　オールマイトは5秒後、OKサインを出してくれた。
　くじで当たらなかったので、試合観戦に入る。

「で？」

　不満そうな目でこちらを睨んでくるヘンゼル。

「で？って？」
「いくら僕が妹に協力的だからって、この仕打ちは流石にないんじゃないかな、って思って」

　この仕打ち……？私何かしたかな、と心当たりを探すが特に無い。

「わかってないね？まず僕がなんでここにいるか把握出来てないことと、僕に説明する前にあのクソ野郎と会話したこと。で、なんで僕を呼んだわけ？」
「ごめんね。雄英の戦闘訓練で、ペアにならなきゃいけないんだけどその数合わせ」
「……別にいいけどさ」

　ふてくされた顔でそっぽを向かれた。
　戦闘に支障が出ないといいけどな……。