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幸せの夜空 ページ26

星座とは_


夜空を見上げると無数に輝いている恒星。

そのうちでも、

近くにあるもの、

目をひくもの同士を結びつけ、


神話の登場人物や動物、器物などの
姿かたちに見立てたもののことを指す。



メソポタミアの中で描かれた星座は

何百年、何千年、と受け継がれてきた。



…学生の頃に習った事だ。





隣にいるオリアス先生は、僕の同級生、


学生の頃からずっと一緒に夜空を眺めている。




授業外で先生に教えてもらった星座の話は
とても面白く、

音楽教師となった今でも
生徒を授業の中に引き込むために
使っていた。


『オリアスせんせ、僕たちの星座探そうよ。』


「いや、見えないでしょ。」


昔のことを思い出してふとそう言ったが、
空は一部曇っていて星座を探すのは難しそうだった。


『そっか、』


辺り一面に広がる草原に腰を下ろし、
返事をした。







静寂が訪れる。





草木が揺れる音


水の流れる音


動物たちの動く音



一見静かに思える夜は

神秘的な音で溢れていた。



自然が出す音に耳を傾けながら
寝そべって目を閉じる。








“聴こえる。”








子供に手を焼く親ぎつねのため息が。








“聴こえる”








我が子のためにと歌う念子の子守唄が。








“聴こえる”


























隣で空を見つめる、オリアス先生の
小さな呼吸音が。








“静かな夜の騒がしさが聴こえる”




「A先生、見て。」



あちこちから聴こえる音に耳を澄ませていると、
オリアス先生に声をかけられて現実に戻される。


ゆっくりと目を開けて彼の方を見ると、
空を指さして微笑んでいた。



「空、綺麗でしょ。」



そう言われて空を見上げると、

さっきまで曇っていた空は
嘘のように晴れていた。



『……きれい。』



きっと彼は、この満天の星空を見せるためだけに
能力を使ったのだろう。


それは、僕が今まで見てきた中で
一番綺麗な夜空だった。



そのまましばらく空を見つめて、


僕たちは呟いた。



『「変わらないね」』



ハモったのがおかしかったのか、
2人でくつくつと笑い始める。



「俺さ、思ったんだよ。

 学生の頃からずっと星を見てきたけど


 A先生と見る星の方が綺麗だなって。


 気づいたの。

 だからさ、」








“これからもずっと一緒にいてね”




それに僕は笑顔で返した。





『…うん、“約束”ね。』










幸せな時間が続きますように。


思慕、愛惜。→←・



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アリス - おん…?お気に入りが、また増えた…だと…? (2月6日 17時) (レス) @page34 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - 受験頑張ってくださいね! (1月29日 14時) (レス) id: 5bdcdcf2bd (このIDを非表示/違反報告)
アリス - おお!おめでとうございます!僕も高校受かったらスマホ買ってもらえるので頑張ります! (1月26日 21時) (レス) id: 2287692f9d (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - 後、最近ログインしました! (1月26日 19時) (レス) @page29 id: 5bdcdcf2bd (このIDを非表示/違反報告)
アリス - こちらの作品も見ていただけると嬉しいです。 (1月26日 18時) (レス) id: 2287692f9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アリス | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Alicehomepage/  
作成日時:2024年1月24日 6時

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