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ダリside


「ッ、…A先生、

 こんなところでどうしたの?


 一緒に戻ろうか、

 君を待っている生徒がたくさんいるんだよ。」


できる限り平静を装うが、今の僕が
動揺を隠しきれているとは到底思えない。

それでも表面上は取り繕って声をかける。



A先生はこっちを向いてつぶやいた。


『…もう無理ですよ、

 僕はそっちには戻れない。



 この手は赤黒く染まってしまった。


 本来学仔を育て、導き、守るべきこの手で、

 尊い命を奪ってしまった。



 こんな悪魔が教師なんて、やってはいけないんです。』


自嘲するかのような笑みを浮かべ、A先生は
手に持っていた悪魔を放り投げた。


ドサッと音を立てて落ちたソレは
もう動かない。


「…A先生、君がやったことは
 取り返しのつかないことだ。


 …だけど、誰にも善悪がつけられないことでもある。」


怯えているようにも見える彼は、この言葉に
顔を歪めた。


『……黙ってください。


 ほら、誇り高きバビルスの教師、

 しかも統括がこんな悪魔と話すなんて
 時間の無駄ですよ。

 周りの目を気にして来ているんですか?

 連れ戻して情報を吐かせようとか?


 どんな理由でも戻るつもりはありません。

 僕はこのまま悪魔狩りを続けて死にます。』



やっぱりそう簡単には戻ってくれないようだ。


苦しそうに、助けて欲しそうに笑うのに、

自分からは助けを求められない。


他人から指摘されないと、
自分が苦しんでいることにも気づけない。


かと言って手を差し伸べても、
強がって怖がって手を取らない。


何が彼をそうしたのかわからないけど、
人の善意は受け取って欲しいよね。


『きっと僕が戻ったところで、

 みんな迷惑するだけですよ。





 だって、僕のこと嫌いじゃないですか。』


…そんな泣きそうな顔で言うくらいだったら、
最初から助けを求めればいいのに。



「そうだね。」



ほんっと、

























「大っ嫌いだよA先生。」




何かが頬を伝う感覚があった。








幸せの夜空→←荒廃した街で君を



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アリス - おん…?お気に入りが、また増えた…だと…? (2月6日 17時) (レス) @page34 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - 受験頑張ってくださいね! (1月29日 14時) (レス) id: 5bdcdcf2bd (このIDを非表示/違反報告)
アリス - おお!おめでとうございます!僕も高校受かったらスマホ買ってもらえるので頑張ります! (1月26日 21時) (レス) id: 2287692f9d (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - 後、最近ログインしました! (1月26日 19時) (レス) @page29 id: 5bdcdcf2bd (このIDを非表示/違反報告)
アリス - こちらの作品も見ていただけると嬉しいです。 (1月26日 18時) (レス) id: 2287692f9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アリス | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Alicehomepage/  
作成日時:2024年1月24日 6時

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