賑やかすぎる私の日常 (ページ30)

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＿＿

＿ザッザッ

そんな音を立てて、私たちは歩く。

いつの間にか歩いていた道は洞窟になっていて、

辺りは目を凝らせばなんとか見える暗さだ。

「平腹どこにいるんだろ…」

ポツリとそう呟く。

けれど田噛は面倒くさそうに言葉を発した。

田「あのバカの事だ、どっかで寝てんだろ…」

「そうだといいけどさー」

斬「しかし神影、大丈夫なのか？」

ずっと無言で先頭を歩いていた斬島がふと口を開いた。

私は意味がよく分からずに首を傾げる。

佐「あぁ、神影ちゃんがその亡者に狙われてるって事？」

斬「そうだ、あの亡者は一筋縄ではいかない」

「珍しいね、斬島がそこまで言うなんて」

田「それだけ強ぇってことだろ……」

「そっかー…あ、でもさ同じ境遇なら
同じ境遇同士で出来る話もあるはず…」

佐「そういう考え方、神影ちゃんは変わらないね」

佐疫は微笑みながらそう言った。

私はそうかな、とつられて笑う。

田「…」

ふと、田噛が一点を見つめて立ち止まった。

私の前を歩いていたのでその背中に顔をぶつける。

「へぶっ！？…田噛？」

ぶつけた顔をさすりつつ田噛に問う。

けれど田噛は何も言わずただじっと立っていた。

怪訝に思いその方向を見る。

「あっ！平腹！！」

そこにいたのは血塗れで倒れる平腹だった。

「平腹！…………起きろ」

平「ふわぁい！！！」

傷は大分前に回復していてただ寝ていただけ。

それに少しイラついて低い声を出してみせた。

すると一気に飛び起きる。

平「あ…ん？お？？神影！？」

「はい、おはよう」

平「えっなんでいん……っ！？」

私が"居た"ことに驚いて平腹は声を上げる。
しかし何かによって吹き飛ばされた。

「田噛…？」

田「"また"、乗っ取られてんじゃねぇかよ」

田噛がツルハシで平腹を吹っ飛ばしたんだ。

そして平腹の首を掴むと宙に上げる。

平「あっ…うぅ…た、がみ」

「………なるほど」

私は小さく呟くと、バールを思い切り……

「演技、ご苦労様！」

"田噛"に当てた。