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それからどれくらい時間が経っただろうか。

不意に扉が勢い良く開いた。

たぶん、平腹だろうな。



平「なぁなぁ!外に亡者集合してんだけど!!……ってあれ、何してんの?」



案の定、そうだった。

抱き合ってる私と田噛を見て首を傾げる。



田「チッ…うるせぇな」



田噛はゆっくり立ち上がると

私の腕を掴んで立ち上がらせる。

平腹は私を見るなり固まった。



平「神影…その目……」

「……っ」



田噛の後ろにそっと隠れた。

目のことになるとどうしても悲しくなるから。

でも平腹はずんずんと私に近づく。



田「…」

「……わっ」



そして思い切り私の肩を両腕で掴むと

とびきりの笑顔になってこう言った。



平「すっげぇ綺麗!」

「…………ふぇ?」



予想もしてなかった言葉に間抜けな声が出る。

それもそうだ。

こんな目を綺麗だなんて言われたことなかったし。



平「宝石みたいにキラキラしてんな!かっこいいな!いいな!!!」



物凄く興奮気味にそう言う。

私は目を瞬かせて、少し経ってから思わず笑った。

平腹が馬鹿なのは知ってたけど

その馬鹿さ加減にまさか自分の心が救われるとは……



田「で、平腹…さっきなんて言った?」



私から平腹を引き離し、そう問う。

平腹は思いついたように声をあげた。



平「そうなんだよ!亡者が外に出てて捕まえてくれ!って口揃えて言ってんだよ!!」

「…え?」

田「あ?…だるい」



捕まえてくれ?そんな亡者いたんだ…

そんな事を考えながら落ちている眼帯を拾い上げすぐに右目に宛てがった。



「じゃあ詳しい話は帰ってから皆にするよ…今は亡者のとこ行こー!」



私は平腹のお陰で緩んだ顔をそのままにして
田噛、平腹に元気良く言った。



田「…あー……だりぃ」

平「早く行こうぜ!!ゲームやりてぇ!!!」



いつも通り接してくれる二人を横目に

私は笑顔を絶やさず見つめた__。

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ゆっきい - 田噛がイケメソすぎて涙出てきたお、、、、、 (2016年9月17日 9時) (レス) id: 0db5e774af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:燐音 | 作成日時:2015年7月4日 16時

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