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「えーっと…それで、今日はどうしようか」
アリスが口火を切ると各々うーんと首を捻って考え出した。
「オレは服が買いに行きてーかな…オレはともかく、陛下の服がな」
「残念ながら同意見よ。あまり質素な服は着なれていないのだけれど…この世界でドレスというわけには行かないようだもの」
「ああ、それは確かに。ハッター達は？」
「…何でもいいから外を歩きたい。名前のヒントになるモンがあれば良いんだけどな」
大分行き詰まってるなあ。
アリスは苦笑ともに肯定の意を返し、早速まずは朝ごはん、と台所に向かった。
冷蔵庫を開けて少し悩む。
(朝ごはんだし、軽くでいいかな…初めての和食だし、お味噌汁とご飯と…あ、鮭残ってる。これでいっか)
残り物のご飯をレンジにかけ、味噌汁は面倒なのでインスタントにお任せする。チルドルームに眠っていた鮭の切り身をさらに半分に分けて数を稼ぎ、フライパンに広げた。
「アリスー、テレビ付けていーか？ そこのアホが悩みすぎて煙出しそーだし」
「…うるせぇよ…」
「大分悩んでますね、ハッター」
「だいじょうぶ…？」
「いいよー、好きに付けて。チャンネル分かる？」
「ええ、大丈夫よ」
リビングからチェシャに聞かれ答える。ローズが早速おもちゃでも貰ったような目でリモコンに手をかけ、スリーピーとマーチの幼い二人が画面のついたテレビをきらきらした目で見上げている。ハッターはテレビの画面を見ながらまた頭を抱えていて、アリスは思わず苦笑を漏らした。
(大丈夫かな、ハッター)
リビングからは快晴を伝えるお天気キャスターの声と子供たちの歓声が漏れ聞こえてくる。
それになんだかくすぐったいような気分になりながら、アリスは程よく火の通った焼き鮭を皿に盛りつけた。
「さ、朝ご飯食べよう。ハッター、運ぶの手伝ってくれる？」
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月22日 15時
