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一夜明けて、土曜日。
「おはよう、アリス」
「おはようございますアリスさん！」
「むにゃ…」
「おはようスーリにマーチ、ハッター…ハッター！？」
朝からものすごいクマをつくったハッターにアリスは驚き、チェシャは思わず吹き出した。
「うわすっげークマ。オマエ、どーせ名前考えまくって寝れなかったんだろ」
「悪ぃかよ…」
「いや悪かねーけどさ」
別にそこまで考え込むことねーと思うけど、コイツのことだから大事にしてーんだろうな。
幼馴染らしい勘でそう考えたチェシャは腕を組んだ。
「候補は決まってんの？」
「何も…
「親心拗らせてんなあ」
「うるせえ」
「そういうチェシャ達は決まったの？」
「私達は無事に決まったわ。ハッター、あまり考え込みすぎてもいい結果にはならなくてよ」
ローズの言葉にかえってハッターがううんと唸り出してしまい、アリスは思わず苦笑した。
これは長くなりそうだ。
「やっば、寝坊！ アリスごめん私の車のキー出しといてー！」
バタバタと物音を立ててリカが2階から降りてきた。慌てた様子で弁当箱を包み鞄に放り込む。アリスが車の鍵を投げ渡すと器用に鞄でキャッチして見せた。
「おはようアリス、みんなもごめんねバタバタと。冷蔵庫の中のもの勝手に使っていいから！ あと外に出るのは自己責任で、じゃあ行ってくるわね！」
ガチャン！
扉が閉まるまで約5分。
「…嵐のような方ね」
ローズの呆然とした呟きに、全員が揃って頷いた。
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月22日 15時
