1-6(ユエル) ページ6
――そんな訳で部屋割りが決まった。2階に上がって、左手の部屋から元々使っていたアリス、リカ。それに続いてロザリア、反対側の部屋がマーチとスリーピー、ハッター、チェシャということになった。
「とりあえず、荷解きはしたのはいいんだが……」
「そうね、名前……」
「あ、それなら辞書を持ってくるね」
「「「辞書?」」」
揃って首を傾げるハッター達。
戻ってきたアリスが手に持っていた分厚い書物。
「漢字辞典。名前を決めるなら、どんな漢字があるとか、見た方がいいと思って」
ハッター達は、アリスの持ってきた漢字辞典をペラペラとめくる。苗字と名前。決めるものは2つだが、自分の名前が既にあるのに決め直すというのは、なんだか不思議な気分だった。
あれこれ悩み、あれがいいだの、これがいいだのと色々話し合ううちに、瞬く間に時間が過ぎていく。
なかなか決まらない。
そんな中、チェシャは自分の苗字を決めたのだ。
「うっし、オレの苗字は、
「チェシャは千榎田、と……いいんじゃない?」
「うーん……」
チェシャが名前を決めている横で、うんうん唸っているのは、ハッター。自分だけでなく、マーチやスリーピーの名前も考えているからだろうか。先程から紙に書き連ねるだけ連ねて、あれも違う、これも違う、と悩んでいた。
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作者名:ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年7月22日 15時