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結局、チェシャは帰りのホームルームが始まる頃には戻ってきた。しばらく熟睡したのが良かったのか、青白さが目立っていた頬にも血色感がある。
いさかいを起こした男子生徒は気まずげに声をかけようとしたが、「たかが高校生の喧嘩だろ？ 別に気にしてねーよ」とチェシャのーーおそらく本人には気付いていない無意識のーー歳上らしい発言に、首を傾げながらも頷いた。
・・・
「そういや、そろそろ文化祭なんだよな。うちのクラスもやるんだろ？ 喫茶店か何か」
「ああうん、うちは喫茶店。学級委員長が生徒会のジャンケン勝ち抜いて取ってきたの」
「それでか、採寸がどうの身長がどうのと聞かれたのは」
「一応、私も衣装作り担当してるからね。ハッターとチェシャも手伝ってもらうよ」
「はいはい」
「おー、任せとけ」
「なぁ、文化祭ってクラスごとの出し物だけか？」
「ううん、他にも有志によるダンスとか、演奏とかあるよ」
「へぇ、そんなのもあるのか」
アリスの話にチェシャはニッと笑っており、ハッターも興味津々に話を聞いている。そこで、アリスは2人に聞いてみた。
「あ、ねぇ、2人とも。楽器って弾ける？」
と。聞かれた2人は、驚いたのだろう。瞬きを数回繰り返した後に、一応と答えた。
「オレはヴァイオリンとかピアノだな」
「俺はピアノなら」
「ピアノとヴァイオリンかぁ…」
予想外の答えだったらしく、目を丸くして言った。そんなアリスの反応にチェシャとハッターは2人で首を傾げた。
「有志でロックバンドフェスっていうのがあってね。3人で出れたらなって思ってさ」
「へー…ん？」
「お、おう？」
「うん、そうしよう。文化祭、3人でバンドやろう！ お姉ちゃんギターとベースは弾けるから、2人は練習ね」
「あの、アリスさん？」
「3人で舞台上がって、言いたいこと色々あるけど全部見せよう。私とハッターのことも、チェシャの『
アリスは2人に手を差し伸べた。
2人は戸惑うように顔を見合わせた後、ハッターは苦笑を、チェシャはニヤリとした笑みを浮かべる。
「アリスがそうしたいって言うなら。仰せのままに、
「おもしろそーじゃん。オレ一応歌えるぜ」
3人で手を取り合い、きゃっきゃと笑いながら家に帰る。
帰ってきた3人を待っていたのは、
「うちの学校の英語の先生、ホワイトだったの！」
ローズの発言だった。
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月22日 15時
