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というのも、昔の記憶がフラッシュバックしたからだ。昔囚われていた頃は、首枷を付けられていた。ニヤリと笑う口元が、あぁ、違う。もう、自分は自由なんだ。なのに、どうして、また。
動悸がして、心臓がバクバクいってるのが聞こえるのに、息が早くなるのに、上手く呼吸ができない。目の前の男子生徒が何か言っているが、何も聞こえなくて。
「っ、ヒュッ……ぁ、ぐ……！」
「え、お、おい！？」
目を見開き、顔色が悪くなり、青くなっている。そして、息も上手くできていないのだろう。吸っているはずなのに、吐き出すのも出来てない。そんな状態のチェシャを見て、流石に様子がおかしい事に気付いた男子生徒は、声をかけるが、聞こえていないらしい。
その騒ぎを目にしたハッターとアリスは、慌ててチェシャの元へ向かう。
「チェ、ーー千榎田！」
咄嗟に名前を呼びそうになったが、すんでのところでとどまったハッターが、チェシャに呼びかけるも、チェシャはそのまま倒れてしまう。突然の事に何も反応できないハッターとアリス。彼が倒れてしまってから、ハッターは再び呼びかけるも、完全に意識を失っているようで、何の返事もなかった。それを見たアリスは、オロオロとしているだけだった男子生徒に、怒って言った。
「昔の知り合いなの、それだけ！ あなたには関係ないでしょ！」
「え、あ…おう…？」
男子生徒は、自分がしたことによってチェシャが倒れたという事にかなり動揺していたらしく、アリスの言葉に上の空な返事であり、ハッターの呼んで来た担任の山本が来て話を聞かれても、そんなつもりじゃなかった、と言ってはいたが、話が出来る状態じゃなかったようだ。
そして、チェシャはと言うと、体育家系の先生ら2人に担架で保健室へ運ばれていき、着いていこうとしたが、山本から話を聞きたいと言われ、付き添うことは出来なかった。
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月22日 15時
