3-1(ユエル) ページ22
――次の日。アリスは準備を済ませ、そう言えばまだ今朝の新聞を取りに行ってないな、と思い出して家のポストをあけに行く。すると、そこにはハッターとチェシャ、そしてローズの制服が届いていた。
「え、制服！？あ、そっか…3人とも制服なかったか」
新聞も含め、制服も取り入れたアリスは、早速3人へ制服を私に行く。まずハッターとチェシへノックをして返事を待ってから部屋に入り、それぞれに制服を渡しにいく。
「初めて見た」
「あ、そっか、初めてだっけ」
「お、おう。あ、制服ありがとうアリス。着替えてから、下に降りる。先に行っておいてくれ」
「わかった」
ちなみに、渡しに行った時ハッターは一瞬だが、目を見開いて、どことなく目を逸らされたように感じた。何か気になることでもあったのかは、わからない。しかし一瞬だった事もあり、見間違いだったのかもしれないな、なんて思いながら、チェシャの部屋をノックするアリス。
「おー、制服か……これ、首にするモンだよな……」
「？ そうだよ。どうかした？」
「ん、いや、大丈夫だ。サンキュな。着替えたらオレも下に行くわ」
「うん。わかった」
アリスは何も分からないまま部屋を出る。チェシャは、何故あんな事を聞いてきたのか。ネクタイを見た時、一瞬チェシャの目は光が失われたように見えた。だから、アリスは問い掛けたが、躱されてしまった。
(チェシャ、ネクタイ苦手なのかな。首締まるのが嫌な人っているし)
アリスはそう軽く考え、ローズの部屋をノックする。すぐに返事が返ってきて、中に入る。アリスが制服を渡すと、ローズは目を輝かせた。
「ありがとう。着替えたら、私も下に行くわ」
「うん。その制服可愛いから制服姿楽しみにしてるね」
「！ ええ、私も着るのが楽しみよ」
なんて会話をして、アリスは今度はマーチとスリーピーの部屋へと向かう。起きていればいいが、もし起きていなければそろそろ起きなければ、遅刻してしまう。
アリスが部屋へ向かっていると、マーチとスリーピーがランドセルを背負って出てきた。何とも可愛らしい2人組なのだろうか。
「あ、アリスさん！おはようございます！」
「おはようなの」
「おはよう、
アリスがそう言うと、2人はとても嬉しそうな顔で笑った。それを見たアリスはどこか暖かい気持ちになるのだった。
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月22日 15時
