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次の日がやってきた。今日は日曜日でリカも今日は休みなのだが、家具を買いに行く、と言っていたからだろうか。眠そうな目を擦りながらも、リビングへ歩いてきた。
先に起きて、お茶を飲みながらテレビのニュースを見ていたアリスは、リカに気付いて声をかけた。が、返事はなかった。否、小さすぎてアリスには聞こえていなかったのだ。
「お姉ちゃん、昨日も仕事だったんだから、もう少し寝てても良かったのに」
「いやぁ……今日ハッター……
なんて言いつつも、リカは「ふぁ、」とあくびをこぼした。このままベッドに寝れば、秒速で寝そうなくらいだ。
それほど眠たいなら、アリスの言う通りもう少し寝ててもいいと思うのだが、しかし、リカの言う通り家具を買いに行くのであれば、家具を郵送して貰うにしろ、歩いて行ける距離にはないので、車に乗せてもらわないといけないのである。
「おはようって、アリス、もう起きてたのか?」
次に起きてきたのは、ハッターだ。目覚め良さげなハッターは、先に起きていたアリスを見て驚いた。と言っても、現在時刻は9時。とても朝早い時間帯、という訳でもないので、アリスは首を傾げた。
「もうって、別にそんな朝早い訳じゃないよ?学校行く時なんか、7時には起きなきゃいけないんだから、それ考えたら寧ろ遅い方だと思うけど」
「確かにそうだね。私も仕事だと6時とか6時半とかに起きなきゃいけないこともあるし、それ考えたら遅い方だねぇ」
ようやく目が覚めてきたらしいリカは伸びをしながら答えた。そうしていると、チェシャやローズ、マーチやスリーピーも起きてきて、あっという間に全員が揃った。
「じゃ、ご飯にしよっか」
リカはそう言って、台所へ向かう。その後をアリスが追いかけた。ハッターは追いかけようとして、ふとアリスの安心し、嬉しそうにしている横顔を見て、止めた。
そういえば、
「にしてもリカさん、良い人だな。オレ達、リカさんからしたら、突然やって来た住所不特定の不審者なのにな」
なんてチェシャがこぼした。それに、ローズが同意する。確かにそうだ。現実世界を知った今ならわかる。自分達の国が、こちらの世界にとっては御伽噺のような場所なんだと。
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作者名:ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年7月22日 15時