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荷解きを済ませ、リカが帰ってくるのを待って作られた夕食はスーパーで買ってきた餃子と野菜炒め、炒飯に卵スープと中華風の献立だ。
「そういえばハッター、だっけ。ちびちゃんたちの名前はまだ悩んでるの？」
リカに問われたハッターは卵スープを冷ましていた手を下ろす。
「…その顔は、まだ決まってないみたいね」
「考えてはいるんだ…これでも」
「僕らはハッターが付けてくれた名前なら、なんでも嬉しいですよ」
「それ逆に悩むやつじゃねーの」
マーチとチェシャが苦笑を浮かべて顔を見合わせた。
「何か候補は無いの？」
「そうだよ、こんな感じにしたいなーとかさ」
ローズとアリスに問われ、ハッターは「難しいな」と返す。
「あまり難しい名前にはしたくないな、と思っているんだがな。チビ達でもわかるように」
騎斗、愛華と図らずも画数の多い漢字を多用したチェシャがくしゃみをした。
「おそろいがいいの」
「お揃い…か。そうだな」
スリーピーが炒飯を片手にそう呟き、ハッターが頭を撫でる。
「…そうだな。お揃い…ああ、そうだ」
唐突にハッターが机の隅に寄せておいた漢字辞典を開き出した。メモを片手にぶつぶつと呟き、時折小さく頷く。
「ハッター？」
「決まった」
きょとんと目を向けるアリスへメモを差し出す。
「お揃い、だからな」
「…うん。いいと思うよ。これなら、いつでもお揃いって思い出せる」
スリーピーがお揃い、と指さした信号機。
それを思い出しながら、アリスはくすりと笑った。
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月22日 15時
