もしも烏野一年が三年生になったら

もしも１ ページ2

side:日向翔陽


高校生の最高学年ともなると感慨深くなるもので…いまだに三年生という自覚をあまり持てていない。

そして、今日から新入生が仮入部に来る。

実を言えば、今年も新入生が少ない。

理由は簡単。青葉城西や白鳥沢、伊達工の方が強豪校として名を馳せている。

つまり、安定している。

それに比べて、おれ達烏野は古豪であって強豪ではなかった。

しかも、春高へ行けたのも、おれ達が一年の頃の話だ。

『もう一度あの場所へ行きたい！』と強く想う。

だって、おれ達があの場所へ行けるのは……今年で最後なのだから………

そんな思いも心の奥底へとやり、第二体育館へ足を進めていく。

体育館の前まで行く。そこに居たのは、三年でも二年でもない。

きっと、新入生なのだろう。二人の少年が……何やら雰囲気の悪い状況で、一方がサーブをし、もう一方はレシーブをしていた。

うん、デジャブ。これ、おれが一年の時やったのと同じだわ。

とはいえ、あの時はおれと影山が……はい。

ちょっと、この話は避けたい。

しかし、違うとすれば、おれ達が来る前にもうこんなになっているという事と、レシーブしている子がたぶんリベロだということ。

日｢ちわーっす！｣

わざと何も見ていない＆知らないフリをして入る。

日｢もう来てんだな！おれ日向翔陽！よろしくな！｣

さてと、たぶんこいつら…おれが先輩だって分からないな。

？｢別によろしくする気ないんだけど。ウザイからどっか行ってくんない？｣

とサーブしてた奴が言う。どちらかといえば月島に似てるな。

？｢おい！お前その言い方はダメだろ！｣

……レシーブしている子は……何かすごい親近感が……

？｢うるさいんだけど。ちょっとレシーブができるくらいで、でしゃばんないでくれる？｣

……早くみんな来ねぇかなぁ……

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