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◇
『ぶるーく君とは、付き合えない』
真っ直ぐ見つめ返して、伝えた。するとぶるーく君は下を向き、自分の手で顔を覆った。
「……そっかあ」
『うん』
「やっぱり、なかむが好き？ あいつ、そんな良い奴じゃないけど、それでも好き？」
『うん』
「僕なんかじゃ比べものにならないくらい好きなんだ？」
『……うん』
「ちょっと〜、辛辣すぎ……。あはは」
もう一度、ぶるーく君は下を向いた。澄んだ瑠璃から、涙が溢れているようにも見える。
いつものぶるーく君のふわふわした声とは想像がつかないくらい、哀愁が混じった、震えた声だった。
ぶるーく君がこんなになるくらい、真剣に思ってくれていたんだと考えると、すごく苦しくなってくる。
「まぁ、そうだよね。Aにとっては、僕もなかむもおんなじだもんね」
『……うん』
やばい。気まずすぎて、返事が「うん」しか出てこない。
でも、余計な言葉をかけるとぶるーく君の傷を抉ってしまうかもと考えると、口から声が出ない。
「ねえ。最後に1個だけさ、聞いてもいい？」
『う、うん？ いいよ』
『なかむの、どこが好きなの？』
考えた。でも溢れ出してくる言葉は止まなくて、ぶるーく君に伝わるようにこう答えた。
『全部、かなあ』
めっちゃ好きじゃーん、と震えた声でいつもの口調でぶるーく君が茶化してくる。
「……じゃあ、僕に勝ち目なんかないじゃんか」
独り言。私に言ったつもりでないとわかっていても、色々考えてその言葉を発したと思うと、胸に深く突き刺さる。
そのとき、チャイムがなかった。
やば、と呟いてぶるーく君は立ち上がる。ひらりと手を振って、別れ際にこう言うと、走っていった。
「僕も、Aの全部が好きだよ」
終わり
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Alice(プロフ) - ラべシワさん» コメントありがとうございます。応援していただけてすごく嬉しいです！ 更新少し滞ってしまい申し訳ないです。頑張るので、これからもご愛読いただければ幸いです！ (1月16日 6時) (
レス) id: 3921b98651 (このIDを非表示/違反報告)
ラべシワ - 推しが画面から出てくるなんて幸せです。投稿頑張って下さい。応援しています。 (1月15日 22時) (レス) @page16 id: 8585bd908d (このIDを非表示/違反報告)
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