【kgm】社長がダチとかラノベかな？

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「……あの、社長何で笑ってるんすか……？ 私何かしましたか？」

「あ、いえ！ 私も食べないと冷めちゃいますね」


　最近メニューに追加されたカツ丼に視線を落とす。社員食堂は私が社長になってから導入したので最初はメニューが少なかった。が、少しずつ少しずつメニューを増やしていったので最近は利用する人が増えているらしい。会社的に考えると多少デメリットもあるのだが、多くの社員さんからご好評頂いて何よりという感じだ。このカツ丼もぱっと見中々美味しそうで、出汁の味が疲れた身に沁みるなぁと白米を咀嚼する。窓から差し込む日の光に優しく包まれながら、友人と向かい合ってのんびり昼食をとることの幸せさ。なんと素晴らしいことか。


(……待て待て加賀美、何をしている……‼︎ 折角こうしてお話できそうな機会を得ることが出来てるんだから、今聞かなければ……‼︎)

「丹さん、」

「はい？」

「あの……最近どうして私と距離を置いてらっしゃるのかなって気になって。私が何かしてしまったのであれば言ってください、でないと分からないので……」

「……え？」

「え？」

「距離置いてましたっ、け……？」

「…………」


　無言のなんとも言えない時間が生まれ、お互い視線を泳がせながら破茶滅茶に思考する。あれ、これもしかして私、早とちりしてた？ いやまさかそんなことないはずだ。今までは会ったら急いでる時以外は話しかけて来てたし、話さずに立ち去るにしても何かしら一言入れてたし、LINEが来る頻度とかも減ったし。前は何かしらあってほぼ毎日連絡が来てたのに最近は三日・四日に一度だ。まさか、まさか勘違いなんてことはないはずだ。


「いや、だって……！ 社員食堂で会っても自販機前で会ってもまともに会話してくれませんし、連絡あんまり寄越してこないじゃないですか！」

「アッそういう……‼︎ いやそれはっ、当たり前でしょう！ 社内で前までとかオフの時間と同じ関わり方するわけないじゃないですか！ 連絡あんまりしないのは仕事持ち帰ったりとかしてるみたいな話前に聞いたから気を遣って……‼︎」

「……はぁ〜〜〜……」

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