【kgm】社長がダチとかラノベかな？

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「え待って待って待って待って、何今の間。え？ 何ぃ⁉︎ 怖いんですけど‼︎」


　怖い。怖すぎる。含みしかないじゃんその間は。嫌だよ怖いよ、少女漫画の如く「まああの彼が私のこと好きなんてありえないよね」みたいなこと言ってたら本当に好かれてて「俺実はお前のことずっと前から好きで」「えっ……？」みたいなことになるフラグ建築しないで貰っていいですか頼むから。加賀美ハヤトから好かれるべきは私みたいなのじゃなくてもっと美人で色気があるお姉さんでしょうが。


『気のせい気のせい』

「気のせい……？ そ、そっかあ……」

『まあどっちでもいいじゃん。恋愛感情あってもなくても結婚はできるんだから』

「いやそりゃそうだけどさ……別居婚みたいな選択肢もあるしね？」

『確かに』

「えぇ〜、私が社長夫人になるのぉ？ やだよ〜〜……」

『別に社員には隠しときゃいーじゃん』

「う〜ん……まあまあまあ、三十まで生きてみないと分からんか」

『そうだよ』


　これなんなら私が全力で彼氏作って結婚回避した方がいい説まであるな。でも彼氏作れるんですか？ って言われたら、百パーセントNO。なんたって私は人を好きになったことがないのだ、相手に特大の愛を捧げていてもそれはあくまで友愛で、恋人になりたいとかそんなことを思ったことはただの一度もない。誰が相手であろうと。わたしが欲しているのは都合のいい相手で、その枠はもう加賀美ハヤトという男によって埋められているわけで。もう私の身の回りに空いた枠はない。恋人という枠も、夫という枠も存在しない。そんなところにハヤトは無理矢理枠を作ろうとしてるわけなんだけども……いやほんとにこいつ何がどうしてそういう発想になったんだろう。育て方を間違えたかしら。


「はぁ〜〜……三十まで相手いなかったら結婚か。最悪にして最高のプロポーズだなほんとに……おまえそれ、マジでだめだよ。そういうのメンヘラにいっちゃんやっちゃいけないから。マジでよくない、そんなんだから粘着女ができるんだよ」

『いや別に、いいでしょ。どうせA以外に言わねーし』

「うわぁ〜でたでた、『お前だけ』。そういうのマジでやめた方がいいよ……私はまだ明るいメンヘラだからいいけど、ガチの重度のメンヘラはその発言きっかけでストーキングとか全然ありえるからね？」

『大丈夫だって』

「ほんとにぃ？ お前メンヘラの対応壊滅的にできないじゃん」

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