[△] お兄さんと私。

お揃い_Hiro ページ32

『ふふっ、』

美容院の帰り道。
スマホに反射するオレンジ色の髪に笑みが溢れる。

そう。ひろさんとお揃いで項の左ら辺をオレンジ色に染めてみた。
美容師をお姉さんにこの人とお揃いにしたいんです！
とひろさんの画像を見せると
おぉ！ドロスお好きなんですか？
とまさかのドロスファンでびっくりした。

好きなものが同じ人とはやっぱり色々話したくなる。
どうやらお姉さんはまーくんが好きなようで、
ハナウタやムーンソング、真夜中とかの落ち着いた感じの曲が好きらしい。
美人なお姉さんにぴったりの曲ばっかり。

そして一つ気になることがあって、
これまでにひろさんヘアーにした人って私以外にいましたか？
と問うと、
あ、一人いましたね！
あと友人の美容師さんにも一人いたらしいです！
と言われてやっぱりいるんだ、と少しテンションが上がった。




そして今はルンルンでひろさんの家の前。

美容院に行くとだけ告げて、
髪型は帰ってきてのお楽しみと言っておいただけだから、
少し短めにしてもらってオレンジ色に染った髪に
ひろさんはどんな顔をするかなとドキドキしながら、
合鍵でドアを開けたらドタドタとこちらへひろさんが走ってきた。
すぐバラしたくないから急いでオレンジ色の部分を手で隠す。

『ひろさんただいま！』

「え、え？！なんでそこ隠してんの？！」

『ふふっ、見ます？笑』

「うん！早く！」

もう察しが着いている様で、
ぱっと掴んでいた髪を離すと、

「わ、え！ほんと？！ほんとに！？」

『ほんとですよ笑』

「お揃いだ！」

テンションが上がって軽くぴょんぴょん跳ねてるひろさん。
とりあえず上がって手を洗って改めてお話する。

『染めてもらった美容師のお姉さんもドロスファンだったんですよ！』

「へぇー、」

『それで今までひろさんヘアーにした人一人だけいたらしいです！』

「それは嬉しいね！でも、」

私の髪をサラッと触って、

「Aとお揃いにできたのがいちばん嬉しい。」

『ふはっ、なんですかそれ笑』

「だってほんとだよ？」

なんて言ってロイヤルスマイルを見せてくる。
か、可愛い…

「せっかくなら全身俺になりきってみたら？」

『えっとそれはどう言う…』

「服も全部、ベースも持って、」

『えー、それはちょっと恥ずかしいです…』






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