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「準備はいい?」
「あぁ、そっちのことはボウヤ達に任せたぞ。」
工藤邸の二階にある小さな部屋に並べられたディスプレイ。電気もつけずにそれを操作するのは小さな少年だった。側から見れば奇妙な絵面だろう。…が、全てを知っている側から見ると、なんとも頼もしい姿に見えてくる。
締め切られたカーテンの隙間からこっそり外の様子を覗く。
1…2…3…。公安の彼は一体何人の部下を連れてここにやってきたのだろう。それほど、彼らにとって赤井秀一と言う存在は厄介ということだ。
沖矢さんに扮した優作氏は一階のリビングで事の準備を進めているのが、ディスプレイを見るとすぐにわかる。
この家に仕掛けられた無数の監視カメラ。
これだけの台数があれば、ネズミ1匹見逃さないだろう。
「ねぇ、本当にAさんなんだよね?」
「本当にってどういう意味よ。」
コナン君の質問に対して、思わずジロっと睨んでしまった。
「その、雰囲気が随分違うから…。一応ねっ…。」
確かにいつもの私を想像するなら髪は短く、ジーンズにノースリーブ。メイクは最低限でブラウン系と言った、シンプルなコーデが頭に浮かぶのだろう。
が、今の私はクルンとカールがかった茶髪のロングヘアーに、ピンクのチーク。長いまつ毛にぷくっと膨らんだ唇。おまけに白のブラウスに紺色のミニスカートと言った、いつもと真逆の装いだ。
ザ清楚系すぎて、そのリアクションになるのも納得できる。
が、こうなったのも言い訳をさせて欲しい。
「全部、君のお母さんの趣味だよ。」
息子である彼は、ははっと苦笑いをして、画面へと視線を逸らした。
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明里香(プロフ) - 56話、黒尽くめじゃなくて、黒ずくめです。 (1月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 47話、バッタリ再開じゃなくて、バッタリ再会です。 (1月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!更新遅くなってすみません…ガッツリまとめて書いて、ぶわー投稿するタイプなので…。ちゃんと完結はさせますのでもう少しお待ちください! (2022年1月8日 20時) (レス) id: a6556beed0 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - とても好きな物語だったので更新宜しくお願いします (2021年12月24日 19時) (レス) id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - まあそうだよね笑面白いなあと思ってずっと更新待ってたけどこれだけ続くとやっぱこうなるよねwまあコス頑張ってw (2021年9月9日 21時) (レス) id: 8835186c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺこ | 作成日時:2021年6月10日 15時