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「ゼロ。」

「はい?」

「僕のあだ名もゼロだった。」


急なカミングアウト。いや知ってたけど。

でも改めて安室さんの口から、彼の事を聞くことができるという状況に、少しだけ嬉しく思ってしまった。


「おそろいですね。」

「そうだな。」


チラッと運転席を見ると、さっきとは違って柔らかい表情の安室さん。これ以上疑われずにすんだのは、きっと純粋無垢の男である太一の説明のおかげだ。まぁ、この事態を引き起こした原因も彼だが。

結果的に安室さんと少しは仲良くなれたという事で良しとしよう。


「…安室さん?」


外の景色を眺めていると、急に車のスピードが速くなったのが分かった。さっきまでとはうって変わって、彼の表情が険しくなる。

この顔は、“降谷零”だ。


「すまない。少し飛ばす。」

「はへ…?っうお!!」


時速150kmくらい出てるんじゃ無いのかってスピードで国道を走る。

違反だよ!!!

少しでも状況を理解しようと、サイドミラーを見ると、明らかに怪しい車達が後ろから追いかけてくるのが確認できた。

なるほど。きっと彼には例の組織以外にも色んな敵がいるのだろう。

わかった。全力で逃げてくれ!!!まだ死にたく無い!!!


「くそっ。」


見事なドライブテクニックで、数台は巻くことができたが、相手が多すぎる不利な状況だ。

何故、彼は応援を呼ばないのだ。

風見さん達に連絡をすれば…!!

いや、“呼ばない”のではない。“呼べない”のだ。

一般人である私が乗っているから、迂闊に正体がバレるようなことは出来ない。

でもこのままだと危険だ。

それに私のせいで国宝級の存在である降谷零を失うわけには行かない。

これはもうしょうがない。


「安室さん!無線機どこですか!!」

「はぁ!?」

「いいから!どこ!!!」


訳がわからないと言った顔をしているが今はそれどころじゃないと察した彼は「助手席のボックス」とだけ言うと再び運転に集中し始めた。

ボックスを開けると、無線機と…拳銃が入っていて、あぁこの人は警察官なんだと改めて実感した。


「こちら降谷、黒のワンボックスカー5台に追われています。至急応援を頼みます。場所は…。」

「A、無線機をこっちに向けてくれ!」


場所と車の特徴、ナンバーを伝えると、降谷さんの言う通り、無線機を彼の口元まで持っていく。

そうか、私が言うだけじゃ信用性に欠けるもんね。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 赤井秀一   
作品ジャンル:アニメ
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明里香(プロフ) - 56話、黒尽くめじゃなくて、黒ずくめです。 (1月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 47話、バッタリ再開じゃなくて、バッタリ再会です。 (1月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!更新遅くなってすみません…ガッツリまとめて書いて、ぶわー投稿するタイプなので…。ちゃんと完結はさせますのでもう少しお待ちください! (2022年1月8日 20時) (レス) id: a6556beed0 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - とても好きな物語だったので更新宜しくお願いします (2021年12月24日 19時) (レス) id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - まあそうだよね笑面白いなあと思ってずっと更新待ってたけどこれだけ続くとやっぱこうなるよねwまあコス頑張ってw (2021年9月9日 21時) (レス) id: 8835186c97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺこ | 作成日時:2021年6月10日 15時

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