傷跡 【川村壱馬】

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・壱馬 side




『……ズルい………』




○○の言う通りだと思う。




なんでか、なんて。



自分が1番分からない。



とにかく○○の気持ちを繋ぎ止めたくて……



必死で。





壱馬「…自分勝手で、ごめん。」




最低だって、なんだって言ってくれていいのに



優しい○○は、そんなこと言わない。




何も言わない変わりに、俺の腕の中で泣き続けている。





壱馬「ごめん。ほんまに…傷つけてばっかで…ごめんな…」





この状態では何を言っても傷つけそうで。



これ以上泣かせたくなくて。




だって、○○が壊れてしまいそうだったから……





今の○○はそれくらい、脆い。






壱馬「○○……？」

『……ごめん。』

壱馬「え？なんで○○が謝るん？何も悪ないやろ？」

『ううん…めんどくさいこと言ってごめんね…？』

壱馬「○○っ、？」

『もう、しないから…ちゃんと連絡ついてから来るから…っ、』





その後に続いた○○の言葉が、




凄く、心に重く響いた。





"嫌いにならないで"





そんな訳…ないのに。




嫌いになるようなこと、○○はしてないのに。




どちらかと言うと……ううん。




確実に、嫌われるようなことをしてるのは





………俺だから。

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