傷跡 【長谷川慎】

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・○○ side



『……ん……？』



目が覚めて視界に写った天井は見知らぬもの。



慎「○○さん！！分かりますか！」



すぐ隣から聞こえてきた声に頭を動かせば


凄く久しぶりの慎くんの姿。




『ま、こと…くん？』

慎「はい、そうです。」



あれ…？私なんで寝てた…？


思い出そうと必死に記憶を辿って



”好きなんだろ？”



思い出してしまった。




慎「○○さん、大丈夫です。ここにあの人はいません」



あの恐怖を思い出して、また震え出した手を握って


落ち着かせようと声を掛けてくれる慎くん。



慎「嫌だったら突き飛ばして…」



それでも、止まらない震えに、慎くんはそう言って



『…っ、！』




抱き締めてくれた。



逞しい腕の中


暖かい温もりになぜか、凄く安心して。




慎「泣いて下さい…俺すぐ忘れるんで」



その言葉を引き金に、


大量の涙を流した。



慎「……落ち着きましたか？」

『うん、、ごめんね…』

慎「いや、気にしないで下さい…目晴れちゃいますよね…蒸しタオル作ってきます」

『え、悪いよ…』

慎「いーから。甘えて下さい」



まさに、至れり尽くせり



こんなに女の子扱いされて、



優しくされたのはいつぶりだろうか。



『ふぅ、、』



心臓がうるさいくらいにバクバクしているのは




きっと、泣いたせいだ。

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