2.プロローグ ページ2
最終局面の夜、僕は死ぬ
誰も僕が死ぬとは思わなかったろうな。だって僕は上弦の鬼を相手にしてもかすり傷程度で済んでいたのだから
まぁ、死ぬことに関してはしょうがない。僕は死ぬけど、他の皆は生きてるから
お館様とその御家族も、他の柱達も、炭治郎達や一般隊士までも守れた。皆が生きてるなら、皆が幸せになれるのなら、僕には未練も何も無い
？《確認しました。
胡蝶「出血が酷い…！止血剤、もっと持ってきてください!!」
しのぶの声…出血、か…それはどうにもならないよ。だって僕の胴体には大きな風穴が空いてるんだから
？《確認しました。血液が不要な身体を作成します》
『……し…のぶ…』
胡蝶「!!Aさん、喋らないでください！話なら後で…！」
『後なんて、ないよ…』
僕は優しく微笑みながら血濡れの手でしのぶの頬を撫でた
その瞬間、しのぶは今まで堪えていた涙をボロボロと流し始めた
周りの人達もだ…皆泣いてる
炭治郎「Aさん…生きてください…！皆で帰ろうって、約束したじゃないですか…!!」
炭治郎が僕の手を握る
『…むりだよ…僕は、もう死ぬから……』
伊之助「………よ」
伊之助が何か言っている
伊之助「お前はこんなとこで死んでいいのかよ!!鬼殺隊最強なんだろ！？何で弱い俺らが生きて、強いお前が死ななきゃなんねぇんだよ!!」
そうだよ。僕は最強だ。最強であらねばならなかった
最強であることに少し疲れを感じている。けど、それでも…
『…ｯ…僕だって…生きたいよ…!!』
しのぶと町に行ってない
蜜璃と甘味処に行ってない
小芭内と鏑丸と蜜璃の事を語ってない
杏寿郎にさつまいもの味噌汁を作ってやれてない
義勇と鮭大根を食べてない
行冥と楽器の演奏をしてない
天元とお嫁さん達とお洒落をしてない
無一郎に有一郎の事を聞いてない
実弥と玄弥を仲直りさせてない
炭治郎の家に行けてない
禰豆子と花冠を作ってない
伊之助と勝負をしてない
善逸にこの想いを伝えてない
皆と鬼のいない世界で幸せに暮らしてない
まだ…まだ、死にたくない…！
《確認しました。不老不死の身体を作成します。加え、アルティメットスキル【未練】を獲得…成功しました》
不老不死…？未練…？何だよ、それ…無惨じゃあるまいし…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蜃気楼 - 面白いです！続き待ってます！ (2021年12月5日 9時) (
レス) @page20 id: c920434a9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リヒト | 作成日時：2021年7月9日 1時
