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肝心の彼が変わってしまった理由を聞かずに終わった恋。はっきりとした正体は分からない心の中の黒い渦がそれでいいのかと何度も尋ねてくる。良くない。良い訳が無い。知らなければならない、そんな気がした。
「小瀧くん、ちょっと話があるんだけど」
中学卒業後、高校に入るまでのちょっと長めの春休み中私と小瀧くんは再び中学校を訪れた。この中学から同じ高校に進学するのはごく僅かで、その限られた中でも私とも彼とも仲が良かった小瀧くんは私と同じ思いを抱いていたようで、私が声をかけた時快く了承してくれた。
「あれ、お前ら卒業したんとちゃうの？(笑)」
そう冗談めかして出迎えてくれたのは担任の中間先生だった。色んな意味で問題児が多かった私たちのクラス。それが卒業したことで肩の荷が降りたのか先生の表情は心做しか優しそうに見えた。
先生はあまり明るい雰囲気ではない私たちを見て少し顔を強ばらせた後、まあ座れやと椅子とココアを準備してくれた。
「で、今日は何の用事で来たん」
しばらくしても話を切り出すわけでもなく、ココアも口にしない私たちを一瞥して先生はそう言った。高校という新たな道に進む前にどうしても聞いておきたかった。
「先生、大毅について何か知っていることはありませんか？」
一瞬目を見開いた先生は、そうかあいつやっぱり言うてへんかったか、なんて意味深な言葉を呟いた。それがなんなのか知りたい気持ちが私の心拍数を上昇させる。
「お前らが聞きたいのは重岡がどうしてああなったかってことでええんやな？」
確認でさえ焦らされているように感じてしまう。と同時にやはりああなったのには原因があったのだと腑に落ちるところがあった。
「実はな」
耳を澄ませる。無意識で呼吸も止めていた。どうやらそれは私の隣に座る小瀧くんも同じようで、背筋が少し伸びたのが分かった。
「あいつの両親離婚してん」
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A子(プロフ) - 凜憧さん» コメントありがとうございます。お褒め頂くほどの文才はございませんが、非常に嬉しいです。励みになります。更新頑張らせて頂きますね！ (2019年8月30日 22時) (
レス) id: 3b9a42010e (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 惹きつけられるような魅力的な文章で、とても読みやすく面白いと思いました。大変かと思いますが、更新頑張ってください。続きを楽しみにしています。 (2019年8月30日 13時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：A子 | 作成日時：2019年8月29日 2時
