白烏 ４

【 共に歩む道 】 ページ30

《 岩泉side 》




岩「今日の交代はおめぇの頭冷やす為だろうがよ、一寸は余裕持て」

及「今の俺じゃ白鳥沢に勝てないのに余裕なんか有る訳ない！！！！俺は勝って全国に行きたいんだ勝つ為に俺はもっと」






痰を切る様に出てくる言葉に、俺の何かがブチ切れた








岩「 "俺が俺が" ってウルセェエエッ！！！」



ー…ゴヂーーン"ッ！！



及「ンガーッ！？」




遠慮も何も無い勢いを受けて、及川自慢の顔面に頭突きを食らわせた





及「！？ ！！？」

岩「てめぇ1人で戦ってるつもりか冗談じゃねーぞボゲェ！！テメェの出来が＝チームの出来だなんて思い上がってんならぶん殴るぞ！！」

及「もう殴ってるよ！！」





グリィと及川の胸倉を掴み更に距離を縮める

ぶつけ合ったデコがジクジク痛みを伴ってる



それより、そんなトコよりも、もっともっと…身体のど真ん中が痛い







岩「1対1で牛島に勝てる奴なんか北一(ウチ)には居ねぇよ！！けど」

及「！？」

岩「バレーはコートに6人だべや！！」






ギュッとなって、脳みそがクラクラする

身体全体の熱がどっか行っちまったみてーな感覚




それでも目頭だけは何故か熱くて






岩「相手が天才一年だろうが牛島だろうが！！"6人" で強い方が強いんだろうがボケが！！！！」





言い終わりと同時に胸倉を離せば、体育館の床にへたり込み、不気味な笑い声を上げだす及川





岩「スマン強く頭突き過ぎたか！大丈夫か！？」

及「はァ〜〜うん…何か何だろうなコレ……俄然無敵な気分」





スクリと立った其奴の表情を見て、もう大丈夫だと確信した









及「ていうか岩ちゃん悪口 "ボケ" しか言えないの？」

岩「右からも鼻血出してやろうか」









それから数ヶ月後

中学最後の大会対白鳥沢中等部






初めて1セットを取った






結果は白鳥沢に次いで2位

その大会で及川はベストセッター賞を獲得した






及「この賞は北一のスパイカーが1番力を発揮してたって証拠だ！」

岩「それでも牛島は更に上かよクソ…」

及「まぁまぁ…高校入ったら今度こそ白鳥沢凹ましてやる…！」

岩「当然だ」








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そして現在




岩「………」

及「…さっき、ベストセッター賞取った時の事、思い出した」







岩「6人で強い方が強いんだろうがボケが！！」







及「うん。やっぱ俄然無敵な気分」






俺も。なんて言わねーけど

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