白烏 ４

【 素直じゃ無いのもまた愛嬌 】 ページ25

《 菅原side 》





本当なら、きっともっと早い場面で交代してた筈

其れこそ永田が入ってくる辺りで



それが真逆数プレー多くコートに立てた



練習試合とは比べ物にならないコート内の熱気、天井から降り注ぐ照明の明るさ
直ぐ側に居る相手選手の威圧感、動かすたびに感じる息苦しさと、足の重たさ




全部が歓喜に変わった




未だ、もっと、少しでも長くコートに立って居たくて

自分のトスで点が決まる事が、味方がガッツポーズして喜ぶ様を見れる事が、こんなにも嬉しいなんて…





影山と変わる時、永田も一緒に日向と変わった。元々20点台に乗ったら変わる予定だったらしい





菅「…ちょっと悔しいけど」

影「？」

菅「俺のトスとお前のトス、打ってる時の日向の顔が違うんだ」





多分永田もそれを分かって、日向と交代したんだと思う





菅「…分かってると思うけど、うちの連中は、みんなちゃんと強いからな」

影「！…………ウス」





どうやら本当に分かってるみたいだ








菅「よし！勝ーーー……」









"勝てよ"









菅「………勝つぞ」

影「ーーウス」









後少しで口から出かけた言葉を消して影山に言う

それは何処か自分にも言い聞かせてる気がした






今迄影山が入部して、何処か自分は蚊帳の外な気がして、試合の最中でも、傍観者として立ってた気がした

その想いが言葉に出そうになった








烏「青城と互角に渡り合ったじゃねーか」

菅「うちの連中は強いですから」






でも……





烏「でもアレだな。次ン時はもっとセンター戦積極的に使っても良いかもな。永田がセンターになった時みてーに、バンバンな」

菅「ーーー…！ハイ！！ありがとうございます！！」







俺も試合に出た。コートに立った

皆んなの力を引き出せたら青城とだってちゃんと戦える




けど、その先(・・・)へ一本進むには、やっぱり烏野が誇る "最強の囮" が100％機能しなくちゃいけない。


それが出来るのはー…影山、お前だけだ









菅「有難うな、永田」

貴「へ？」

菅「 "秘密兵器" …何となく、言いたい事伝わった。あと、少しでも長くコートに立たせてくれてありがとな」

貴「…菅原先輩自身の実力…です。俺は、別に何もして無い…から」

菅「うん。そう言うと思ってた」

貴「！」

菅「けど、ありがとな」

貴「…………はい」




小さく返事をした永田に口元が緩んだ

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