白烏 ４

【 キュリオシティ 】 ページ23

菅原先輩のサーブから、再び及川さんの幼馴染さんへのセットアップで、点を取られたものの

東峰先輩のゴリラパワーのスパイクで取り返し、18-18で均衡を保ったまま




ローテが回って前衛のライトに居る今が、絶好の機会




貴「菅原先輩…」

菅「お？」





俺へ耳を傾ける菅原先輩。何でちょっとワクワクしてんだろ、この人…





菅「うぇっ、？で、出来んの？」

貴「………まァ、奇襲って意味でやるだけ、なんで…」

菅「お、おおう。分かった」





ニカッと笑って親指を立てた菅原先輩に軽くお礼をして持ち場に戻る

出来るか出来ないかは…余り考えた事が無い




人間は物事を考える時、自分のテリトリー内から選びがちだけど、それだと変化は訪れない気がする





ー…ボッ





進化とか、進歩とか、前へ進む事には力強く足を踏み出すのに、いざ未知の世界へ行くとなれば、何を思ったか躊躇しがちに成る









澤「ナイスレシーブ！」

菅「永田！」








変わりたいなら、先ず自分の中の固定観念を捨てる事から始まると思う







及「ー…は？」







ー…ドッパァアンッ！！







貴「…………」







出来る出来ないで決めないで、やりたいか、やりたくないか…やってみたいか

唯ひたすら好奇心にかられる事も、案外悪くない






『うわぁああっ！！！！』

『左で打ったぞ！？彼奴！？』

『え、さっきは右だった！』

『真逆の両利き？！』






【 18-19 】





田西「永田ーーーーーッ！！！！」

貴「！？！！」






思った以上に手応えの合った左手を見つめて居ると、後ろから猪突猛進組が突進して来たので、取り敢えず






月「だから何で僕の後ろなの」

貴「蛍、身長高いから…」

月「変わり映えの無い返答ドウモ」





確かに、何が合って盾にするのは蛍だけ。だって何か蛍、同期の中じゃ頼り甲斐があるんだって

飛雄も翔陽も忠も天然だから






及「クソ腹立つ…ッ選りに選って左利き使うとか…ホント思い出したくも無い相手を、思い出すよ」

花「ありゃ自分がライト来るまで隠してたなァ」

松「そうですなァ、花さん。奇襲にしては花丸じゃない？」

岩「つっても威力は右の半分。他の連中よりある意味左打ちに慣れてる俺らからしたら取らねー球じゃねェ。狼狽えンな」

及「岩ちゃんがカッコいい…！」

岩「あ"ァ？」






けど流石に何度も使える技じゃ無い…か

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