白烏 ４

【 下手な鉄砲 】 ページ14

【 05-08 】



うーん。あのセッターとの入れ替わりの際に、視界から一瞬消えるボールを取るのは難しい

それを考えた作戦は実にいいな。








ここで及川さんが前衛に上がって来た上に、飛雄があからさまに動揺して焦ってる
及川さんの術中に嵌まんなきゃ良いけど、この感じだと難しいな







澤「オーライ！」

東「ナイスレシーブ！」






ダッと助走を付けて跳ぼうとすれば、目の前に見えるのは明らかにツーアタックの構えを見せる飛雄

普段ならこの明らかなツーアタックのモーションは囮で、実際はトスを上げたりするんだけど
現段階で飛雄にその考えに至る思考回路は無し



つまり誰の目から見ても打つであろうツーアタックを今、及川さんの目の前でやろうとしてるコイツはバカ決定！！








ー…ビッバッ！！





影「！！？(クッソ…！)」

及「あら、拾われたか」

貴「フォロー！！」

田「！！ぐんぬぅっ！！」





ツーアタックはブロックされりゃ、真下へと簡単に落ちる
飛雄に打つからない様に滑り込み腕を伸ばせば、ギリギリ上がった

田中先輩のフォローもあり、何とか体制を整える






影「っ…」

貴「クソみてーな考え捨てて俺に上げろ！！」

影「なっ！？！」






驚きと困惑が入り混じり、普段なら考えられないヘッタクソなトスを上げた飛雄に舌打ちをしながら助走を付ける






及「止めるよ！！」

花「っしゃあ！」

松「せー…のっ！」








目の前には３つ揃った三枚ブロック

十分に付けた助走の足を引っ張るトス








及「え"っ…」







ー…グッ









貴「飛雄に後で何か奢らせる…！」









ー…ダァンッ！！！









『ぉおおおおおおおっ！！！！！？ここで時間差ァァッ！？』







ここで…って


1人時間差が生まれた原因が、セッターとのコンビネーションミスって知んねーの？







わんさか周りに集まりソイソイソォーイって叫ぶ単細胞は放っといて、チラリと飛雄を見れば
幾分か落ち着いている。けど、まだ焦りは減ってない

次タイムアウト入ったら取り敢えず頭突きしてやりたい(願望)





【 05-08 】









そんでもって監督と目を合わせて、人差し指と親指をクルリと回す
弾かれた様にベンチに居る蛍を呼び、メンバーチェンジ。したのは良いが…






【 06-08 】






田「ナイス月島！」

月「………」

影「………」

及「………」





やっぱ辞めといた方が良かったカモ…

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